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紀要

ニュースレター

中間報告書

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最終報告書

 

 

 

ニュースレター

紀要

 

マイノリティ研究センタープロジェクト総括
地球市民のあり方、かたち(Constitution)への提言
-「マイノリティ」を手がかりとして

 本研究プロジェクトの概要─本研究プロジェクトは、「マイノリティ」を手がかりとして、多様な「市民」(グローバル市民)が構想する「国家と社会」像を解明することを目的とした。「国民国家(Nation-State)」の形成にあたって、マイノリティ問題と向かい合うことなしには21世紀の国家像は描けないからである。本研究
は、次の3つを研究の柱として進められた。①21世紀型国民国家論(現代型「グローバル市民」国家論および「グローバル市民」社会論)の構築に向けた研究、②広義の「マイノリティ」を対象としたうえで、「マイノリティ」概念の再構成をはかる研究、そして③マイノリティの学際的研究とマイノリティ研究の研究基盤および継続的な国際的研究ネットワークの構築に向けた研究である。

 研究成果の概要─研究構想調書記載の年次計画に基づき、その内容を確実に実現するとともに、とりわけ以下の特徴的な成果を挙げてきた。

 まず第一に、研究成果の集約として『「マイノリティ」という視角(上)、(下)』(マイノリティ研究センター、2011年3月)、『差異と共同』(関西大学出版部、2011年11月)、および『多元的世界における「他者」(上)、(下)』(マイノリティ研究センター、2013年3月)を公表した。これらの研究成果は、研究班、研究員の研究活動を集約したものであるが、個別の研究員の研究成果の中には2009年度第31回サントリー学芸賞を受賞する研究成果も含まれている。

 これらの研究成果により、21世紀国民国家のあり方、国民「統合」の可能性について「マイノリティ」を手がかりとする新たな視点の提示、「マイノリティ」概念の再構成を行なうことができた。

 第二に、研究課題、国内外の研究動向をもふまえて「マイノリティ・セミナー」を開催した(2012年12月までに計23回)。報告者は、それぞれ国内外の第一線で活躍する研究者である。とりわけ、第1回セミナーは、中国民族問題の当事者(代表的研究者)を迎えて意見交換するという画期的な企画となった。

 第三に、3回の国際シンポジウムを開催した。第1回シンポジウムは、アメリカ合衆国、台湾、そして日本の代表的研究者を迎えて開催した。また、第2回シンポジウムは、アジアの7カ国(地域)の裁判官と研究者が具体的な裁判事例を手がかりに「マイノリティ」にかかわる研究報告を行なった。さらに第3回シンポジウムは知的財産権とマイノリティをめぐる諸問題についてタイ王国裁判所との共催で開催した(於バンコク)。裁判官を中心とした10か国(地域)からの報告が行われ、当センターの研究が国際的にも認知される場ともなった。このように、従来の研究者、研究機関の国際ネットワークの枠組みを超える、法曹実務家をも含めた研究ネットワークを構築できた。

 第四に、研究活動の状況、成果は、ニューズレター『Boundary』(第12号まで発行)に掲載し、国内外へ研究発信した。また、研究誌『マイノリティ研究』(第8号まで発行)は、「マイノリティ研究」にかかわる国際的研究動向を反映、リードすることをめざして発行してきた。この編集方針、内容が国際的にも評価され、同誌は、16か国(地域)の研究者が6つの言語で執筆している。

 研究の到達点と今後の課題─上記公刊書誌および研究員の研究論文公表などによって、国内外の「マイノリティ」研究の発展に寄与するとともに、研究者、研究機関および裁判所などとの研究国際ネットワークの形成を実現できた。これらをふまえて、継続的な研究コーディネート、研究「発信」組織をどのように構築していくのかについて関西大学のあり方が問われている(詳しくは 『研究最終報告書』 にて公表)。

孝忠 延夫(マイノリティ研究センター長)


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