コラム Boundary 2号表紙より
「インドの農村風景」
インド東部・アーンドラ・プラデーシュ州山間部の、とある農村の風景です。この写真を撮影した12月末はちょうど穀物等の収穫期でした。写真の真ん中に写っている、この村のメインロードは、道でもあり、また作業場でもあります。村の住民は、いわゆる山岳少数民族に属する人々。現在、インドといえばIT産業や製薬産業など、最先端の業種による経済発展が注目を集めていますが、この村の人々にその恩恵が及ぶことはまずありません。いわば、人口的にも、そして経済的・教育的・政治的にマイノリティとしての位置に置かれているという状況があります。しかし、だからといって単に「可哀想」な存在ではありません。自らの持つ、先祖伝来の知恵や体験的に得た知識を集約し、それを形として残すことで、自分たちの持つ「資源」そして「財産」を見直していく、そんな地道な作業を続けている、強い人たちでもあります。
[撮影:浅野宜之(大阪大谷大学准教授)]
コラム Boundary創刊号表紙より
タイトル「坊さんと国会」
1950年代に建設されたカンボジア高等仏教学院は、フランスからの独立後に国民議会議事堂となった。一昨年新しい議事堂が建設されたためにこの建物は、2009年から最高裁判所となる。実は、この建物を手がけた建築家ヴァン・モリヴァンが、かつてパリ大学(ソルボンヌ)に留学した法律家であったことはあまり知られていない。
[2006年撮影:四本健二(神戸大学大学院国際協力研究科教授)]