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2010年度学位授与式祝辞について

卒業生のみなさん
ご卒業おめでとうございます。
本日、法務博士の学位を受け取るのは,57名です。みなさんの入学時の学生定員は、未修コース・既修コース併せて130名でしたから、相当数の同期生が本日の学位授与式に臨めないことがおわかりになると思います。これはもちろん関西大学法科大学院が厳正な成績評価をした結果にほかなりません。そうしたなかで当初の予定年次どおり本日の学位授与式に出席できるみなさんに改めて心からのお祝いを申し上げたいと思います。
法科大学院修了は新司法試験受験のための一ステップであり、たいしておめでたいことでもないと思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私は法科大学院修了は誇るに足る一つの達成であると申し上げたいと思います。
日本ではどの学校に入学するかが重視され、卒業についてはあまり評価しないという傾向がありました。法曹養成についても、司法試験に合格するかどうかが重要で、大学でなにを学んだかは法曹の資質と関係ないと考えられてきました。しかし、法科大学院はプロセスとしての法曹養成機関として出発しました。その意味は、毎日毎日の授業、レポート、定期試験、そしてオフィスアワーでの質問までも含めた、法科大学院における生活そのものが法曹養成過程の一部をなしているということだと思います。ですからそれらすべてのプロセスを経て今日の日を迎えられたという事実をみなさんも積極的に受け止めてもらいたいと思います。
さて、みなさんの多くは、これからいよいよ司法試験という関門に向かうわけですが、試験に臨むにあたって二つのことを頭のどこかに入れておいていただきたいと思います。
一つは、社会は、みなさんのように法的素養をもった人材を必要としているということです。世の中では、弁護士の供給過剰という事態が喧伝されていますが、本当にそうでしょうか。3月11日に起こった東日本の大震災が今後もたらすであろう様々な社会生活上の問題の膨大さを考えてみても、しっかりした法的素養をもち、冷静に分析できる人材のニーズが今後増えることがあっても決して減ることはないことは明らかだと思います。合格者人数が絞られ合格への道のりは決して容易ではありませんが、今後、どのような進路を選ぶにせよ、法科大学院で学び、そこを修了したことを社会に還元する機会はかならず訪れると思います。
二つめは、試験をうけるにあたっても、法科大学院で学んだことをきちんと生かせば必ず合格できると信じていただきたいと思います。合格率が低迷していることから、本学の受験生には試験に際してあまりにも慎重になりすぎ、自由な発想を生かした解答を躊躇する傾向がみられます。しかし、新司法試験は法科大学院で学んだことの成果を問うものですから、これまで学んだことに確信をもち、それを生かして未知の問題の解決に臨むという姿勢で問題に立ち向かっていただければ必ず道は開けるものと信じています。
 最後に、卒業生のみなさんは、これから受験をひかえて、いろいろ心配なことや不安なことがたくさん湧いてくるかと思います。そんなときには、どうか法科大学院の先生方のもとを訪ねて、質問やアドバイスを受けて下さるようお願いします。わたしたち教員一同は、喜んで皆さんのお役に立ちたいと考えています。
以上、簡単ですが、私からのお祝いの言葉といたします。
                                              
                                               法務研究科科長
                                                 木下智史

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