関西大学

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KU SMART PROJECT

研究紹介

「人にやさしい・患部に届く」診断・治療の非侵襲化・スマート化を実現するメディカルポリマー

視線移動情報を用いたHMD型小型視野検査システムの開発 ―「緑内障検査の健康診断導入を目指して」― システム理工学部 教授  小谷賢太郎、大阪医科大学 眼科学

日本人の失明原因の第1位は、緑内障であり、この疾患は視神経を傷つけ視野欠損から失明へと至りますが、初期の視野障害はほとんど自覚できず、自覚した時には、かなり進行している場合が多いです(図1)。
現在の医学では、失った視野や視力を取り戻すことは難しいとされています。
現在眼科で使用されている視野計は、両眼で20~40分間、座位で一点凝視を続けながら、光点が見えるたびにボタンで知らせなければならないため、患者にとって負担が大きいものです。
また、検査機器は大型で暗室に設置する必要があるうえ、検査は最初から最後まで視能訓練士が立ち会って実施しなければならず、医療機関の物理的・人的・経済的負担が大きく、広く普及するに至らないのが現状でした。
そこで、我々は、被験者の眼前に視野計測用の光点を提示でき、持ち運び可能で小型・軽量の装着型ディスプレイと、被験者がどこを見ているかを自動的に計測するためのセンサを組み合わせた、安価なポータブル視野計を開発しています(図2)。

設置場所を問わず持ち運びが可能で、患者さんに装着してもらうだけで
簡単に検査できる視野計を開発し、視野障害の早期発見に貢献
図2 新しい視野システムの構成とプロトタイプ機のアンケート結果 本視野計の優位性
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