KANSAI UNIVERSITY

博士課程前期課程

教育方法と開講形態

教育方法

講義および演習という授業形態を中心として教育を行います。ただし、1学年定員が15名と比較的少数であることを活用して、講義の際にも教員側が一方向的に話を行うというスタイルにとどまることなく、学生による発表やディスカッションも積極的に取り入れて、より教育効果のあがる授業を展開します。さらに、関西大学のインターネットを利用した授業支援システム(インフォメーション・システムおよびCEAS)を利用して、授業時間外での双方向的な課題の提示やそれについての議論、課題の提出を可能とします。これによって、特に社会人大学院生の学習を支援します。また、院生の研究意識を高めるために、非常勤講師以外に学外からのゲストを招聘して、セミナーや研究会を開催します。

開講形態

授業は、1時限90分とし、月曜日から土曜日まで開講します。基本的に、開講時限は月曜日から金曜日までの1限~5限(9:00~17:50)ですが、6限(18:00~19:30)および土曜日における開講については、社会人大学院生の便宜などを考慮して、弾力的に運用します。

修了要件

本研究科に2年以上在学し、演習科目4単位以上を含めて30単位以上を修得し、かつ、修士論文もしくは特定の課題の審査および修士の学位に関する最終試験に合格した者をもって課程を修了したものとします。進級条件については、特に定めていません。

社会人1年制コースとは

充分な社会経験と一定以上の研究能力を有する社会人を対象として、1年制コースを設けている。これにより、大学院での研究成果を、ただちに職務や職場での社会貢献に役立てられるようにすると同時に、職場へ復帰するまでの期間等を短縮することなどにより、職務上の負担も軽減する。

1年で学位を取得するためには、入学後の十分な研究指導および様々な面でのサポートが必要であるとともに、入学時に一定の水準の能力と経験、さらに研究方向の具体性が求められる。高度公共人材に求められる基礎的素養としての職務経験および一定の研究能力を持ち合わせているかどうかを判定するために、出願時に詳細な研究計画書(8,000字程度)の提出を求めて、合否判断の資料として用いる。

1年制コースの入学試験において合格の基準に達しない志願者については、修業年限を2年以上とする通常の過程としての合否を判断し、修学機会を広げるように努める。

修了に必要な修得単位は、必修科目(4単位)を含め、30単位とする。授業形態は、曜日・時限を基本とするが、官公庁や企業、教育・研究機関における業務や研究の実績、およびその結果についてのレポートや発表などを授業時間に代えることもある。これによって、十分に能力のある社会人学生が、1年間で学位を取得できるように配慮を行う。

カリキュラムの概要

高度公共人材には、 政策に関する知識や、 研究を行っていくための基本的能力、 さらには国際的な視野が必要です。 これらを獲得するために、 ガバナンス研究科では政治学・法学・行政学を主たる柱として、 さらに経済学および経営学との密接な連関を保った教育を行っていきます。

ガバナンス研究科の演習科目について

複数教員による指導体制で、複数のアプローチからの研究が可能

ガバナンス研究科は、入学から修了まで特定の1人の教員が全てを指導する従来型形態ではなく、複数教員による指導体制が特徴です。研究課題を多角的に捉えるとともにきめ細やかな研究指導を行うため、前期課程・後期課程共に、主担当研究指導教員と副担当研究指導教員による指導体制を整えています。授業科目にも多様な専門分野の教員を配置し、1つの社会問題を複数のアプローチから多面的に研究することができます。

授業科目の概要(ガバナンス専攻)

現代日本政治論研究

国、自治体、そして大小の民間組織における多様な政策決定の現場において、リーダーシップの機能は重要な問題である。本講義では政治学の観点から、リーダーシップの問題を考察する。具体的には、近現代の日本政治のできごと、個別の政策決定事例をとりあげ、現代民主政治の特徴とも関連させながらリーダーシップの機能を検証し、あるべき政治的リーダーシップについて考察したい。

公共政策学研究

本講義では、学問分野としての公共政策学に特有のテーマ・手法・課題を検討する。具体的には、この分野に関する専門的文献を対象として、毎回指定する題材をもとに輪読とグループ・ディスカッションを行い、その成果を発表する。なお、本講義では必要に応じて、英語文献を最大1/3程度使用する予定である。

調査方法論研究

本講では、修士論文の作成に際してフィールドワークによる情報の獲得を予定している学生のための準備作業を行なっていきます。具体的には、研究計画書の作成作業を通じて、研究の課題を絞り込み具体化していくとともに、調査対象の選定を行い、さらに調査手法の選択と調査にあたって想定される問題点の洗い出しを行ないます。その作業の中で、社会科学的調査技法についての基本的な知識を習得していただきます。但し、本講で対象となるのは質的調査に属する手法で、統計的な処理を必要とする手法については扱われません。また、本講で想定しているのは、計画書の作成までで、フィールドワークの実践については射程に入っていません。授業は、研究計画の発表を繰り返し、内容を練り直していく形で行なわれます。

政策規範研究

日本欧米の政治哲学、政治理論を概観しつつ、政府活動と規範との関係について検討する。
政府や自治体が行う政策決定、政策評価、政策施行の各段階において前提となっている諸価値や規範について考察を加える。

政策過程研究

政策過程とは、一つの政策が生み出されてから終わりを迎えるまでの、一連の流れである。それは、政策課題の設定、政策の決定、実施、評価、そして終了などのいくつかの段階(ステージ)から構成されている。
この講義では、これらの各段階に関わる理論・モデルやその応用例を取り上げて、説明・発表・議論を行っていく。

金融政策研究

本講義のテーマは、公共政策の重要な一分野である金融政策の目的、決定プロセス、運営、波及経路、背景、歴史などについて考察することである。

公共経営研究

日本および欧米の文献研究・事例研究を通じて、(1)公共経営の理念・歴史・特徴、(2)行政評価、公会計改革、民営化・民間委託などの公共経営の具体的内容、(3)協働・パートナーシップなどの新しい公共経営のあり方を講義する。事前にレジュメを用意してレジュメに沿って進行する。

自治体政策研究

本講義では自治体政策を「まちづくり」政策と位置付けて考究する。
「まちづくり」は、平凡な響きのある用語であるとともに、その多様性故に学術的専門性に欠けるように映るが、現代の日本社会が求める課題でもある。徐々に知見が体系的に整理されて、学問として認知されだした。「まちづくり」は、どのような内容を持つのか。その歴史から考えてみよう。「まちづくり」とは、地域の環境整備をハードとソフトの両面で捉えた総合的な概念である。「まちづくり」は第二次世界大戦後の被災地の復興から始まったと言われる。 つまり、ハードを中心にして始まったものであるが、今日では、ハードは一段落してソフトの管理(コストとサービス)に重点が移っている。また、ハード面でも、立地・デザインなどに住民の同意が得られないと進まなくなっている。つまり、現代的文脈の「まちづくり」は、ハードとソフトの両面で住民参加が求められている。言い換えれば、これまでの「まちづくり」は成長を前提にして経済効率性、生活利便性を求めてきた。しかし今日、「まちづくり」は、経済の低成長、生活環境変化(高齢化・核家族化など)などによって、人と人のつながりや持続可能性など、非物質的・精神的な豊かさへのニーズが高まっている。いわば、量的拡大から生活の質(QOL)の向上への転換である。今日、グローバル化・市場主義化によって、東京vs地方、都市vs田舎の2極分化が進展し、限られた一部の地域を除いて、地域経済の疲弊と人口減少が止まらない。税や社会保障・公共事業による所得再分配型の従来からの中央集権主義システムは経済の低成長と地域の生活確保の両面で効果的な政策を打ち出すことができず、地方分権に基づいた地域活性化が望まれている。地域の過疎衰退の深刻化は、「まちづくり」にあっても地域活性化を最大の政策課題にさせている。そこで、「まちづくり」をテーマにした本講義も、地域活性化を中心に講義を行う。なお、本講義の構成にあっては、「住み、働き、憩う」の場である地域の「まちづくり」の多様性を考慮すると、総論部分と各論部分に分けざるを得ない。今年の講義においては、各論部分として、地域が抱える現代的課題の解決方法を考える。

政府情報研究

政府が行う政策決定、政策評価、そして政策施行などの諸活動において、情報が果たす役割について考えることが本講義のテーマである。日本、アメリカなどにおける中央政府や地方自治体の事例を取り上げつつ、政府活動と情報との関わりについて検討していく。特に、法、制度、組織、政策などに焦点を合わせて考察する。

福祉政策研究

わが国の年金・医療・介護政策について理解する。そのために、公的年金制度と公的医療保険の歴史、目的、制度概要、給付・負担構造そして経済への影響について考える。とくに、個別経済主体の貯蓄行動や労働供給との関わりを学ぶ。また、わが国の制度的特徴を理解するために、OECD諸国を中心とした諸外国の年金・医療制度を理解する。とくに欧米諸国では、こうした制度の民営化が進展しており、その状況を学習することで、わが国の望ましい福祉政策を模索する。 さらに福祉多元主義のもとで、福祉サービスの提供主体が多様化している現状を学び、それが地域住民の生活福祉に与える影響を考える。

現代物流政策研究

本講義では、企業間ネットワークを構築する上で重要となっているサプライチェーン・マネジメント(SCM)の考え方を説明する。ただし、全体を説明するには時間が限られているので、「小売業の国際化」と「交通サービス・空港経営論」の2点を主に取り上げる。小売企業が国際化していくために直面する問題点を整理するとともに、交通サービスを構築しながら、進出国のインフラ、特に空港経営や航空会社との関係はどのように構築するべきかという問題について考える。

地域産業論研究

本講義では、地域経済に関わる研究史を中心に概説するが、必要に応じて個別地域や企業に関わる事例研究(特に関西地域、中京地域)を取り上げる。研究進捗状況に応じて、講義参加者の報告を実施する。

現代行政法研究

政策研究にとって必要な「行政に関する法制度と法理論」を理解させることを目標とする。政策問題の主たる解決主体は行政であり、その解決方法について考察するためには行政についての理解が必要である。そのためには、行政に関する法制度や法理論を理解する必要がある。この科目では、行政法の一般的な体系や理論を修得させる。
行政法の基本的な体系と理論、国家財政・地方財政や公会計に関する法制度・法理論、NPMに基づく行政に関する法制度・法理論、行政評価や監査に関する法制度・法理論などについて検討していく。

比較憲法研究

比較憲法に関する基礎的な文献を読みます。担当部分を決めて、担当者はその内容について報告し、そののち討議を行います。使用する題材は「The Oxford Hand Book of Comparative Constitutional Law」所収の文献を予定していますが、参加者の興味関心に応じて変更することもあります。

法政策研究

「法政策」という観点から公共政策を分析し、政策を学ぶ大学院生の法学的能力を養成する。法政策とは、主に法律の知識を用いて、社会問題の解決を行うための方策である。特に、公共政策にとって環境問題は重要な考慮事項であるから、環境法の観点からの分析を重点的に行う。そのことによって、「政策と法」についての総合的な理解力、紛争を解決する能力、および、紛争の発生を防ぐ能力を養成する。
政策と法に関する基本的な理論を講義する。つづけて、環境に関する政策と法を素材として、法政策の理論を講義する(環境基本法・環境影響評価などの環境法の体系および理論、ならびに、環境問題の紛争処理としての民事訴訟や行政訴訟など)。

国際アジア法政策研究

2015年末に予定されているASEAN共同体(政治安全保障、経済、社会文化)の創設は世界に対して大きな影響を与えることが予想されている。多様性が 特徴であった東南アジアにおいて、EUと比較すればゆるやかではありながらも統一を図っていくことは、ASEANとしてのプレゼンスが向上すると共に、加盟各国の経済、社会等に大きな影響を与えると考えられる。加盟各国は、共同体の創設とその影響に対応するために、様々な分野の法律を改正しており、アジア の一つの局となるASEANを理解する上で、現在進行中の法制度改革を検討することは必須であると考えられる。
そこで、本講義は、2015年末に予定されている、ASEAN共同体創設に向けた中で、加盟各国が行っている法制度改革の現状と課題を理解する事を目的とする。

国際公共政策研究

本講義の目的は、国際環境法の歴史と国際環境問題における法的論点を学ぶことである。
Daniel Bodansky, The Art and Craft of International Environmental Law, Harvard University Press (2009)およびTim Stephens, International Courts and Environmental Protection, Cambridge Studies in International and Comparative Law(2009)と関連する英語の文献を講読することで、環境規範の基本的に知識を深め、地球環境問題の解決に向けての国際的取組に関する理解を深める。
授業はテキストと関連する文献を輪読し、議論を行う形式で進める。議論の前提として報告者は担当文献の内容を紹介し問題提議を行う。

貿易政策研究

本講義のテーマは、現代国際経済における日本の貿易および貿易政策を考えることである。そのために、国際貿易の基礎的理論、国際貿易制度の現状、日本の貿易の歴史(日本において資本主義システムが成立して以降)などの基本的な事柄をバランスよく解説する。

国際経済政策研究

1990年代以降、国際経済におけるグローバル化が進んできた。この市場経済システムの拡大は、様々な諸国の経済成長の基盤となる一方、経済危機の頻発という事態も招いている。本講義では、グローバル化が進む中で生じる様々な経済危機に対して考察する視座を得ることを目的とする。

国際関係論研究

本講義の目的は、国際関係論の基本的理論を学ぶことである。英米で出版された最新の理論書を用い、国際関係論について幅広い知識の取得をめざす。さらにここで学んだ知識を、各人が取り上げる国際関係における具体的な事象に適用し、分析・解釈へと応用することを試みる。
授業はテキストの輪読とディスカッションを中心におこなう。報告者は、(1)課題文献の内容と論点を報告する。(2)ディスカッションのための問題提起を行う。

リスク・ガバナンス研究

リスク・ガバナンスのシステム構築に関する分析・調査および関連する領域の技術や方法論、学際的な取組みについての理解を深め、災害に強い社会の実現を促進することが本講義のテーマである。こうして形成されたリスク・ガバナンス戦略を通じ、リスク・マネジメントに有効な情報に基づく意思決定を行うことを目標とする。
多様な主体の社会的な相互作用と社会ネットワークの形成による協働を通じて、リスクを統治することや、潜在的に多様化・複雑化するリスクに対し、社会全体としてリスク対処の最適化を目指しながら意思決定する手続き、などを中心に検討・考察する。

ガバナンス演習 I

本演習は、修士論文(あるいは特定の課題)の完成へ向けての基礎的な訓練を行うことをテーマとする。学生が研究テーマを選定し、その完成に至るまでに必要な研究遂行能力を身につけることが到達目標である。文献・資料調査やフィールドワークなどの方法、論文作成のための方法、研究発表の方法などについての指導を行う。担当教員ごとにテーマをあらかじめ学生に示し、それについての研究発表とレポートを作成する、という形で演習を進めていく。履修者は担当者ごとにテーマに沿った課題を提出する。それらを基にし、最後に演習の総まとめとして、各自の修士論文もしくは特定の課題のテーマに関わる研究発表を行う。

ガバナンス演習 II

本演習はガバナンス演習Iと同様に、修士論文(あるいは特定の課題)の完成へ向けての基礎的な訓練を行うことをテーマとする。学生が研究テーマを選定し、その完成に至るまでに必要な研究遂行能力を身につけることが到達目標である。文献・資料調査やフィールドワークなどの方法、論文作成のための方法、研究発表の方法などについての指導を行う。担当教員ごとにテーマをあらかじめ学生に示し、それについての研究発表とレポートを作成する、という形で演習を進めていく。ガバナンス演習Iと同様に、履修者は担当者ごとにテーマに沿った課題を提出する。それらを基にし、最後に演習の総まとめとして、各自の修士論文もしくは特定の課題のテーマに関わる研究発表を行う。

ガバナンス演習 III

本演習は、修士論文(あるいは特定の課題)の完成へ向けての指導を行うことをテーマとする。学生が研究テーマを選定して、修士論文(あるいは特定の課題)を完成させることが到達目標である。研究テーマの選択や研究・分析方法についてのアドバイス、執筆についての指導、文献の指示などを中心として指導を行う。学生による自らの研究テーマに関する研究発表と議論を中心に演習を進めていく。

ガバナンス演習 IV

本演習はガバナンス演習IIIと同じく、修士論文(あるいは特定の課題)の完成へ向けての指導を行うことをテーマとする。学生が研究テーマを選定して、修士論文(あるいは特定の課題)を完成させることが到達目標である。研究テーマの選択や研究・分析方法についてのアドバイス、執筆についての指導、文献の指示などを中心として指導を行う。ガバナンス演習IIIと同様に、学生による自らの研究テーマに関する研究発表と議論を中心に演習を進めていく。

シラバスシステム

科目名・教員名からシラバス(講義要項)を検索・閲覧することができます。

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