はじめに

芝井敬司 副学長(文学部教授)意識改革から21世紀型学生文化構築へ 芝井敬司 副学長(文学部教授)「学の実化」を教育理念とする本学では、講義以外の正課外教育として学生が運営する体育会や文化会、学術研究会などの活動を積極的に支援してきました。その結果、自主性を重んじる環境で育った本学卒業生の「社会人基礎力」が評価され、社会的ニーズにかなった人材を育成する大学として、社会的評価を得るに至っています。 ところが、本学特有の学生文化や学生気質に、近年変化が見られます。正課教育を重視し、授業に出席する学生が増加する一方、課外活動に参加する学生は減少傾向にあります。学園祭やスポーツの応援に参加する学生が減るなど、全国的に指摘されている「現代の若者気質」が本学にも浸透しつつあります。

本学の伝統を培ってきた学生気質や、特有の学生文化が失われていくことは、決して望ましいことではありません。そこで、かつての学生文化を復興するのではなく、21世紀にふさわしい学生文化を構築し得るよう意識改革を図り、学生自らが積極的に活動できる環境作りを支援する必要があります。 「ピア・コミュニティ」という言葉には、個々のピア・サポートが重層的に積み重なって関西大学全体に学生相互支援のコミュニティが出来上がるというイメージを込めています。活動する学生同士が触れ合い、助け合い、高め合うことによって創出されるピア・コミュニティを目指しています。 学生の皆さんには、仲間をサポートすることで多くのことを学び、それが自分にとってもプラスになる体験をしてほしいと思います。

笹倉淳史 学生センター所長(商学部教授)目指せ!!「学生総ピア・サポータ体制」笹倉淳史 学生センター所長(商学部教授)本プログラムは、本学が2008年度から実施する「全学共通教育改革」と連動しています。正課科目の中に「関西大学におけるピア・サポートを考える」を新規に開講し、それを呼び水として「学生総ピア・サポータ体制」の構築を図ります。ピア・サポータを養成する講座を実施する大学の多くは、「教育学の専門教育」として行っていますが、本学では全学部の希望者を対象として、各種サポートに関する知識と、実践に必要なコミュニケーション能力を育成します。

さらに、学生センター内に設置する「学生支援準備室」が運営する「正課外教育」のプログラムを充実させます。 これらの教育プログラムにより、学生が自発的に新入生の相談窓口を開いたり、学生主体のオープンキャンパスなどが展開されることが期待されます。社会人基礎力を十分身につけた学生は、自分で問題を発見し、自分で考えて解決し、人に説明あるいは説得する能力が伸びていくだろうと思います。

五藤勝三 学生サービス事務局長学生支援準備室がピア・サポート資格も支援ピア・サポートに必要な知識を習得するための「正課外教育」を運営する「学生支援準備室」は、学生センター内に新設します。ここにはRAのほか、複数の教職員を置き、支援を専門的見地から研究する場としても運営します。
学生支援準備室では、ピア・サポートに関する資格取得も支援していきます。正課外教育プログラムとして実施する各種講座には、日本ピア・サポート学会が認定するピア・サポートの指導者資格を取得するのに必要な講座も含まれています。
本プログラムにより、学生一人一人の意識改革が広がっていき、「学生が求める学生支援を、学生自らが実践する」ことが可能な「学生自立型ピア・コミュニティ」へと発展することを目指しています。

コンセプト

コンセプト文部科学省は、大学、短期大学等が実施する優れた教育改革の取組を選定し、支援・情報提供を行うことにより、他の大学等がこれらの取組を参考にしながら、教育改革に取り組むことを促進する大学教育改革を進めています。
この「優れた教育改革の取組」のことを「Good Practice」と呼び、「GP」と略称されています。
文部科学省の学生支援GPは、学生の人間力を高め人間性豊かな社会人を育成するため、各大学・短期大学・高等専門学校における、入学から卒業までを通じた組織的かつ総合的な学生支援のプログラムのうち、学生の視点に立った独自の工夫や努力により特段の効果が期待される取組を含む優れたプログラムを選定し、広く社会に情報提供するとともに、財政支援を行うことで、各大学等における学生支援機能の充実を図るものです。
今回採択された関西大学の「広がれ!学生自立型ピア・コミュニティ〜関西大学で育む21世紀型学生気質〜」は、関西大学の学生が豊かな人間力(21世紀型学生気質)を備えることで、本学独自の学生文化を育み、卒業後に社会で活躍するために必要な「社会人基礎力」を修得することを目的とし、学生が求める学生支援を、学生自らが実践・運営に当たる「ピア・コミュニティ」の創出を目指す取組です。

学生文化の変化

学生文化の変化関西大学は、「学理と実際との調和」、「国際的精神の涵養」、「外国語学習の必要」、「体育の奨励」をキーワードとする「学の実化」を教育理念とし、正課教育である講義等とともに正課外教育として学生が自主的に運営する体育会、文化会、学術研究会などの活動を積極的に支援してきました。
その結果、正課教育とともに正課外教育を重視するキャンパス環境で育った卒業生を社会に送り出し、社会のニーズにかなった人材を育成する大学として、社会的評価を得るに至っております。
ところが、近年関西大学特有の学生文化や学生気質にも変化が見られます。全国的に指摘されている「現代の若者気質」、例えば、正課教育としての授業を重視する一方、学園祭やスポーツの応援等の正課外活動に参加しない学生が増加してきており、そのため、大学への帰属意識の希薄化が関西大学にも浸透しつつあります。
関西大学の伝統を培ってきた学生気質や特有の学生文化が失われつつある中、かつての学生文化を単に、復興するのではなく、21世紀にふさわしい学生文化を構築すべく学生の意識改革を図り、学生自らが積極的に活動できるキャンパス環境作りを支援することが必要となっています。


プログラム

プログラム本プログラムは、平成20年度から実施される「全学共通教育改革」と連動しています。学生がピア・サポート活動を行うために必要な各種サポートに関する知識や実践に必要なコミュニケーション能力、ピア・サポートの手法等を育成する「関西大学におけるピア・サポートを考える」を新規に正課教育として開講します。
また、正課教育と平行して、学生センター内に設置する「学生支援準備室」が企画・運営する正課外教育のプログラムを充実させます。
これらの正課教育及び正課外教育のプログラムにより、学生の自発的・主体的な相談窓口の開設、受験生向けのオープンキャンパスの開催、その他のキャンパスイベントの実施などの実現が期待されます。こうして、学生が求める学生支援を学生自らが実践する体制、「学生総ピア・サポータ体制」が展開され、その企画・運営にあたる「ピア・コミュニティ」が創設されることになります。
そして、関西大学学生は、ピア・サポート活動を通じて、主体性や実行力、課題発見力や創造力、規律性や情況把握力などの社会人基礎力を十分身につけ、卒業後に21世紀の知識基盤社会を支える人材として幅広く社会で活躍することが期待されます。

今後の展開

ピア・コミュニティ「学生支援準備室」では、ピア・サポートに関する資格取得も支援していきます。正課外教育プログラムとして実施する各種講座には、正課教育とあいまって、ピア・サポータに必要な様々な知識や技法の習得が可能となるようなカリキュラムが組み込まれます。

本プログラムにより、
(1)正課教育や正課外教育などで習得した専門的知識や技術の実践、
(2)自ら問題を設定し、解決する能力、そして、
(3)対人関係を構築する能力を身につけることができます。
このことにより、大学への帰属意識をもった学生、社会人基礎力をもった学生、他者を思いやる豊かな人間性をもった学生が育っていくものと考えています。そして、学生が求める学生支援を学生たち自らが実践することができる21世紀の関西大学学生気質を象徴する「学生自立型ピア・コミュニティ」へと発展することを目指したいと考えています。

今後の展開
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