フィリピンについて学びました(4年生)

11月7日、4年生の総合的な学習の時間に、フィリピンの児童養護施設House of Joyを運営されている澤村 信哉さん、藤岡 篤司さんをゲストティーチャーとしてお招きし、House of Joyで暮らすありのままの子どもたちの姿を語っていただきました。


House of Joyは、本当は家族と一緒に暮らしたいけれど、事情があって一緒に暮らせない状況の子どもたちが過ごす施設だと説明を受けた4年生の子どもたちは、フィリピンという国に興味を持ちながらも、心配な気持ちも重なり、複雑な思いがこうさ交錯する表情で話を聞き始めました。


お母さん・お父さんに一番甘えたい年頃なのに、お父さん・お母さんと一緒に暮らせない子どもたちは、きっと寂しくて悲しくて暗い気持ちで毎日を過ごしているのではないかと想像しますが、お二人が紹介してくださるHouse of Joyの子どもたちは、魚の骨で恐竜の骨格標本を作ったり、きれいな貝殻を拾ったり、そこにある自然とともに、どの写真も弾けるような笑顔でした。


House of Joyの子どもたちは、なぜこんなに明るく楽しそうなのだろう?と不思議に思う4年生の子どもたちでしたが、House of Joyの子どもたちが毎日を笑顔で生活できるように、澤村さんたちがどんな思いでHouse of Joyを運営しているのか、澤村さんの楽しげな語り口調と、写真や動画を交えて紹介してくださるHouse of Joyの子どもたちの充実した暮らしを聞いているうちに、笑顔の理由が少しずつわかってきたような気がしました。


澤村さんは言います。
House of Joyのモットーは、「楽しい」がいつも生活の中心となっていること。
だから、子どもたちは身近なもので、どのように「楽しい」を創り出すかを考えながら暮らしているそうです。
例えば、日本のように楽器がすぐに手に入るような環境ではありませんが、無ければ自分たちで作ります。子どもたちのアイディアで、裏庭の竹、掃除に使うほうきが笛に変身しました。
写真は手作りの竹の笛と、ほうきの笛です。実際に演奏していただくと、とても優しい音色を奏でてくれました。

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House of Joyには20人の子どもたちと5人の大人が暮らしています。
大家族が楽しく暮らすためには、遊んでばかりいるわけにはいきません。House of Joyの子どもたちは、三歳から薪割り、お掃除、お料理などのお手伝いをするそうです。
毎日の学校を頑張り、しっかりお手伝いをした子は、学校がお休みの週末になると、海に連れて行ってもらえて、思いっきり泳いだり、砂浜で遊んだりするそうです。
逆に、お手伝いや学校を頑張らなかった子は、週末のお楽しみである海がお預けになることもあるそうです。

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いろんなエピソードから、House of Joyで暮らす子どもたちも、自分たちと同じ部分もあれば、違う部分もあること、「幸せ」は、どこの国でもどのような状況でも、同じ形ではないけれどちゃんとそこに存在していること、「楽しい」は、自分たちでつくりだせることを感じた子どもたち。
同じ心の痛みがわかる子どもたち同士で助け合い、励まし合っている姿からも何かを感じ取ったようです。
4年生の子どもたちが授業後に書いたゲストティーチャーへのお手紙には、驚きや感動、感謝など、一人ひとりの素直な気持ちが綴られていました。

授業の後は、お二人と給食を一緒にいただきました。

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4年生は今後も授業の中で、House of Joy との交流や調べ学習を通し、フィリピンについての学びを深めていきます。