所蔵資料

大阪市中図(おおさかしちゅうず)

大阪市中図(おおさかしちゅうず)

 現在の大阪市域の名所を描いています。その範囲は、北は明治7年(1874)開業の梅田ステーション、東は大阪城、西は蒸気船で賑わう安治川河口、南は天下茶屋までで、東を上にした構図となっています。版元は、道頓堀上大和橋の松屋与兵衛で、彼は「金毘羅諸湊蒸気出船所 御定宿」を営んでいたことがわかります。芝居町道頓堀には、櫓が五つあがっており、明治9年・10年の大火以後に道頓堀の芝居小屋が五つになった様子がうかがえます。ただ、座名をよく見ると、いわゆる「道頓堀五座」とは異なっています。なかでも五座の西端の座には「戎座芝居」と記され、明治20年(1887)に浪花座と改称されることから、この図の制作年の手がかりにもなります。

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