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所長挨拶 Message

野坂 博南
(関西大学経済学部教授)

「本研究所は、高度経済成長開始期の1958年4月に、複数学部にまたがる総合的・学際的な研究機関として設置され、今日までその時々の経済社会情勢の動きに対応し、産業界・行政界・地域社会との連携を基軸に置いた研究機関として「社会に貢献する研究所」を指向した事業を展開してまいりました。

今世紀に入ってからは、情報技術やグローバル化の急速な進展によって噴出する国内外の多種多様な問題や課題に対して適切かつ迅速に対応すべく、産業界および学会から専門家を顧問としてお招きし第三者的な視点から評価をいただく制度を設けるとともに、所長を補佐する位置づけとして6名の幹事を置くことで、研究テーマの設定や研究班の編成を研究所主体でスムーズに行える体制を整えました。

本研究所では、ポスト・コロナ時代の関西ものづくりファミリービジネスによるBCM(事業継続マネジメント・事業承継)と東アジア戦略に関する研究、共通の「空間」・「事実」の喪失(地域団体やNPO等の喪失、公文書の改ざん・隠蔽・破棄等)により「自壊」状況にある民主主義を再生し「公共圏」論の開拓を目指す研究、ODA(政府開発援助)と民間投資の実態分析を通して日本のサブサハラ・アフリカ政策を総合的に考察する研究、さらには地方公共団体の財政運営の現状を分析し、財政運営の将来の方向性について考察する研究など、経済社会の今日的な諸課題に即応した多様なテーマを設定し研究班を編成して研究を推進することで、創設時の総合的・学際的な研究機関としての機能をより一層充実させてきております。

研究成果は180冊を数える『研究双書』と123冊を数える『調査と資料』の刊行物で、他方、ともに200回を超える「産業セミナー」と「公開講座」の内容は『セミナー年報』で、それぞれ公表しています。

本研究所は、皆様方のご理解とご協力の下、創設から60年にわたり真摯な研究・調査活動を続け、多くの知的財産を蓄積してまいりました。今後もその基盤の上に、各界のご理解とご支援をいただきながら「社会に貢献する研究所」としての使命を果たすべく努力する所存でございます。これまで同様、本研究所へのご支援とご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

2024年4月

概要