沿革
法学研究科の歴史は、 旧関西大学学位規程(1924年6月5日付、 文部大臣認可)に基づいて設けられた旧制の大学院に遡る。 当時の学位規程第2条には、 「本学大学院ニ於テ二年以上研究ニ従事シタル者ハ論文ヲ本学学長ニ提出シテ学位ヲ請求スルコトヲ得」 と定められており、 すでに現在の論文博士の制度も設けられていた。
第二次世界大戦後の学制改革に伴い、 新制大学院の設置基準1949年に基づいて、 1950年4月、 関西大学にも新制の大学院が設けられることになり、 法学研究科修士課程も、 文学、 経済学の両研究科とともに、 新たなスタートをきることになった。 当時の修士課程は、 すでに公法学専攻および私法学専攻の2専攻を擁していた。 入学定員は合計60名で栄えある第一期生として45名が入学を認められた。
次いで1953年4月、 法学研究科に博士課程 (公法学専攻) が設けられ、 1958年4月には私法学専攻が加わった。 さらに1975年、 大学院は、 その修業年限5年を2年の前期課程と3年の後期課程に分ける 「博士課程の大学院」 に組織変更され、 現在に至っている。
新制の法学研究科は、 発足後、 すでに60年を経過した。 その間、 開講される科目が年々豊富になり、 教育内容は質・量ともに充実してきた。 毎年、 多くの修了者を世に送り出している。 修了者は、 学界はもとより、 法曹界、 政界、 官公庁さらには経済界など社会の多方面において活躍している。
アドミッションポリシー
法学研究科は、 本学の学是である学理と実際との調和をめざす 「学の実化」 を、 法学と政治学に関して現代的に深化させることを追い求め、 情報化・国際化の流れにも即して 「社会に開かれた知の拠点」 としての大学院の一翼を担うことをめざしている。 このような理念・目的に対応して、 本研究科で勉学しようとする学生には、 法学・政治学に関する学部卒業水準の専門学力と大学院でのさらなる勉学意欲のほか、 社会の実生活に関する日常的な関心のみならず、 社会の変化に対する鋭敏な感受性や法的・政治的諸制度を包摂する社会制度全体を概観する広い視野を有することも要求される。 また、 法的政治的諸問題の背景的本質を見極めようとする洞察姿勢や、 地域社会から国際社会にまで及ぶ多様な場面での自らの貢献能力の追求姿勢、 さらには社会に生起する法的政治的諸問題に対する説得力ある解決方法の提示意欲等を、 相応に有することも要求されることとなる。
カリキュラムポリシー
博士課程前期課程の法政研究コースおよび博士課程後期課程は、 自立して研究活動を行うために必要な高度の研究能力およびその基礎となる豊かな学識を養わせることを目的とする。 学生はそれぞれ、 個別の指導教員の下で毎学年演習を履修し、 原則として同一教員の指導による一貫した少人数教育を受けることとなっている。 また、 専修科目を中心とする講義科目や外国文献研究等の授業を通じて、 研究者に必要な外国文献読解能力の習得も図られている。 博士課程前期課程の企業法務コースおよび公共政策コースは、 高度の専門性を求められる高度専門職業人養成を目的とする専修コースである。 この2コースでは、 基本科目、 関連科目および展開科目の講義科目を中心に、 より実務に即した専門教育がなされている。 修士論文を作成するための演習指導は、 2年次 (または3年次) において、 各学生が希望を提出して選択した指導教員によって行われる。
ディプロマポリシー
博士課程前期課程各コースおよび博士課程後期課程とも、 所定年限すなわち2年および3年在学し、 研究指導を受け、 法学研究科が設定した科目を履修して所定の単位を修得し、 かつ修士論文あるいは博士論文を提出して合格することが、 各課程修了の要件となる。 博士課程前期課程各コースでは、 法学政治学に関する研究者や高度職業人としての活動の基礎となる各専攻分野での高度の専門知識と、 広く深い学識を身に付けたか否か、 および研究者や高度専門職業人として複雑な現代社会に生じる多様な社会問題を法学・政治学的観点から分析し、 直面する問題に総合的かつ柔軟に対応できる能力を習得したか否かによって、 修了認定の可否が判断される。 博士課程後期課程については、 法学・政治学の各分野で、 独立した研究者として活動し得る専門的で高度な知識を獲得し、 法学・政治学的諸問題について、 独創的かつ有意義な理論を構築する能力を身に付けたか否かが、 修了認定の基準となる。
現況
新体制への移行
法学研究科は、 近年の大学院教育をめぐる情勢の変化に鑑み、 新たな社会的要請にこたえるため、 2005年度から研究指導体制やカリキュラムの抜本的な改革を実施することになった。 まず前期・後期課程とも、 従来の2専攻を廃止して、 法学・政治学専攻に統合した。 そして前期課程には、 新たに法政研究、 企業法務および公共政策の3コースを設置した。 入学定員の総数については、 2010年度より前期課程を60名から50名に変更した。 後期課程は10名で、 これまでと変わらない。
前期課程の法政研究コースは、 より深い学識を得ようとする者、 研究者を志望する者などを対象とするもので、 いわゆる研究者養成コースに相当し、 原則として後期課程への進学を予定する。 この度の改革では、 法学・政治学の最近の研究動向に対応して研究者養成機能をさらに強化するため、 開設科目の見直しや履修制限の緩和など、 柔軟かつ発展的な履修を可能とする措置を講じた。
企業法務コースおよび公共政策コースは、 いわゆる高度専門職業人の養成を目的とするコースである。 前者は司法書士や弁理士、 税理士、 社会保険労務士などの資格取得をめざす者、 企業の法務担当者を志望する者などを対象とし、 後者は国家ないし地方公務員、 国際機関の職員などをめざす者のほか、 マスコミ志望者なども対象とする。 いずれのコースも、 より実務に即した専門教育を行い、 原則として前期課程で修了する。
これらのコースを開設して、 高度専門職業人を養成する機能の拡充を図ることが、 今回の改革の眼目といってよい。 それには、 社会人のリカレント教育も含まれる。 そこで、 社会人の修学を容易にすることを主たる目的として、 長期 (3年) 在学制度を導入することにした。
カリキュラムの再編成
専攻・コースの改組に伴い、 それに相応しくカリキュラムも再編成することにした。 その主旨は、 カリキュラムの現代化、 体系化と研究指導体制の柔構造化を図ることにある。
とりわけ企業法務コースと公共政策コースについては、 所期の教育効果をあげるため、 専門的な職業能力や資格の取得に資する科目をいくつか新設した。 その中には、 隣接領域に属する科目や実務的性格の強い科目も含まれている。 目的や関心に応じた幅広い履修が可能となろう。
また前期課程においては、 法政研究、 企業法務および公共政策のコースごとに、 開設科目を基本科目群、 関連科目群、 展開科目群および演習科目群の4つのカテゴリーに整序した。 そして各カテゴリーにつき、 必修または選択必修として、 取得すべき単位数を設定した。 これによって、 系統的な履修を期待することができよう。
入試の改革
いうまでもなく、 教育の目的や内容と入試制度は不可分の関係にある。 これまで法学研究科は一般入学試験のほか、 学内進学試験や社会人入学試験、 外国人留学生試験など多様な入試を実施している。
入試については、 一般入学試験と社会人入学試験を9月と2月に実施することにしている。 社会人入試については、 志願票、 研究計画等の書類審査と面接 (口頭試問) のみとしている。 2004〜2011年度の実績をみると、 この入試方法の採用により、 税理士志望の社会人の入学が多くなり、 また司法書士や社会保険労務士あるいは歯科医師など他分野の専門職従事者も入学するようになった。 これは、 大学院生相互の刺激の点でも有益なことである。
学習過程(大学院での生活)
法学研究科の前期課程の大学院生は、 その進路志望に応じて、 法政研究コース、 企業法務コースまたは公共政策コースに所属する。 法政研究コースの場合、 研究者に必要な基礎的トレーニングを受けつつ、 より高い研究能力を修得するために後期課程への進学をめざすことになる。 企業法務コースおよび公共政策コースに属する大学院生は、 資格試験などの合格を期する者も含めて、 高度の専門的な知識や技術を要する職業につくため勉学に励むことになる。 いずれにせよ、 大学院における研究活動は大学院生が主体的かつ自主的に行うのが基本であって、 その成否は各自の意思と努力にかかっているといえる。 もとより法学研究科は、 大学院生の研究活動に対し、 人的にも物的にも必要な支援を惜しむものではない。
法学研究科前期課程においては、 在学期間中に学則所定の単位を修得し、 修士論文を提出してその審査に合格すれば、 課程を修了するとともに修士 (法学) の学位が与えられる。 後期課程の場合には、 3年間でいわゆる課程博士を取得することを目標としている。 また、 課程博士を取得しない場合でも、 単位修得後、 大学や研究所などに入り、 研究生活を続ける者も少なくない。
法学研究科の大学院生は、 その研究のために大学院棟である尚文館や総合図書館のほか、 法学部資料室、 あるいは法学研究所等の付置研究所など関西大学の諸施設を利用することが認められており、 その積極的な活用が期待されている。
法学研究科には、 大学院生の研究成果を発表するための雑誌 「法学ジャーナル」 があり、 学界において高く評価されている。 学会および学内外の各種研究会に所属する大学院生も少なくない。 また、 法学研究所等の学内研究機関の準研究員やリサーチアシスタントとなる者もあり、 いろいろな形で研究成果を学界に公表している。
大学院修了・単位修得後の進路
前期課程の修了者は、 研究者をめざして本研究科または他大学大学院の後期課程に進学する者のほか、 各種の資格試験や公務員試験などに合格してそれぞれ専門職に就き有能な実務家になる者も少なくない。 近時、 民間企業へ就職するケースも増えており、 企業法務関係のスペシャリストとして活躍が期待されている。 なかには、 経済学研究科、 商学研究科、 社会学研究科など他研究科に再度入学して、 さらに勉強する者もある。
後期課程の修了者は、 その研究成果が評価されて、 大学その他の教育・研究機関に就職する者が多い。 その門戸は全国的に必ずしも広くないのが実情であるが、 法学研究科を修了して大学などの教授職に就いている者の数は決して少なくない。
教育研究内容
博士課程前期課程
博士課程後期課程
■法学・政治学専攻
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