関西大学 大学院インフォメーション2018
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50Graduate School of Societal Safety Sciences社会安全研究科高槻ミューズキャンパス社会安全研究科ウェブサイト http://www.kansai-u.ac.jp/Fc_ss/博士課程前期課程防災・減災専攻(入学定員 15名)博士課程後期課程防災・減災専攻(入学定員 5名)防災・減災を社会安全の総合的観点から研究する本格的な領域融合的大学院 社会安全問題は、自然災害、事故、環境問題、食の安全、感染症、情報セキュリティなど、人の安全・安心に係るさまざまな問題群で構成されます。これらの問題群を要因別に見ると、地震や津波など自然現象に起因するものと、運輸事故や環境問題など社会・経済活動に起因するものに大別されます。前者は自然災害の枠組でとらえるのが一般的です。一方、後者は人間の活動によって引き起こされるという意味で人為的であり、多くの場合において、個々人のみならず組織によって引き起こされることから、社会災害と呼ぶことができます。社会安全研究科では、過去数十年にわたる自然災害に関する防災・減災研究で培われた手法を敷衍して研究教育の柱としつつ、社会災害に含まれる人工物による災害や食の安全、健康リスク、環境リスクなどの問題群も取り扱います。そのために、本研究科では、法学・政治学、経済学・経営学、社会学、心理学、理学、情報学、工学、社会医学などの既存学問分野を融合した研究教育を行います。このような広い学問分野を基礎とすることによって、防災・減災政策の立案と実践、危機発生時の社会的合意形成の技術開発、防災・減災のための制度設計などを担いうる高度な専門的知識とシミュレーション能力などを有する人材を育成し、安全・安心な社会の実現に寄与します。特 色教育の柱となる領域 社会の安全と安心を確立・維持するためには、自然災害、社会災害について、災害・被害のメカニズムを知り、これらを可能な限り未然に防ぎ、あるいは、そうした災害が発生したとしてもその被害を最小限にとどめ、そして、被害から速やかに立ち直る手だてを講じることが肝要です。防災・減災の理工システム系、社会システム系、人間システム系の3つの領域は、いずれもこれらすべてに関わるものですが、強いてその比重の軽重を比較すれば、防災・減災の理工システム系は災害・被害のメカニズムの解明と防災・減災に寄与する比重が高く、防災・減災の社会システム系は社会制度設計に関係し、被害からの立ち直りに寄与する比重が高く、防災・減災の人間システム系は災害を減じ、被害を未然に防ぐことに寄与する比重が高いと考えられます。 以上の、3つのシステム系における研究の対象分野、およびこれに対応する既存の学問分野、並びに本研究科の修了生による修士論文、および博士論文のテーマを右図に例示します。●社会減災政策●工学安全システム●水防災●地震減災●耐震工学●ヒューマンエラー●安全心理●災害復旧・復興防災・減災の理工システム系防災・減災の社会システム系防災・減災の人間システム系災害・事故から立ち直る災害・事故のしくみ災害・事故を未然に防ぐ安全・安心●都市防災●数理モデル●工学システム解析●災害心理●社会安全思想●リスクコミュニケーション●公益事業●リスクマネジメント●安全と法システム●公衆衛生●災害経済●交通システム●消防防災行政研究科の理念 自然災害や、生活、社会現場、ビジネスなど、あらゆる分野で発生する事故に対して、私たちが安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、防災・減災対策や危機管理の推進が極めて重要です。自然災害や事故に限らず、2009年6月にWHOがパンデミック(世界的大流行)を宣言した新型インフルエンザの事例は、国や地方自治体が合意のもとで有効な対策を講じることがいかに難しいか、という問題を提起しています。また、食の安全、企業のデータ改ざん問題などに代表される企業の倫理や社会的責任に関わる問題は、単に経営者のモラルを論じるだけでは再発防止が難しく、その背景にあるガバナンス、法制度、チェック体制、労働政策などを見直し、さらには生き甲斐や働く喜びといった心理的・文化的側面にまで踏み込んだ分析・議論が必要です。 2010年4月に誕生した社会安全研究科は、こうした従来の学問体系では対応しきれない問題に正面から取り組む、新しい大学院研究科です。学際的、複眼的なアプローチを通じて、安全・安心な社会を実現することを目標に、高度な研究教育を推進します。

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