講義紹介

交通システム論

西村 弘 教授

【交通システム論】西村 弘 教授

Q.講義の内容について教えてください。

 今日、私たちが働いたり遊んだりするには、多くの場合、交通が必要です。交通が発達すれば、社会活動の範囲や種類は広がります。そのため、社会を発展させようとして交通システムが発達してきましたが、そこには「功」だけでなく「罪」もありました。例えば、交通事故です。鉄道は開業初日に死亡事故を起こし、当初は安全な乗り物とは言えませんでした。自動車もその発展の歴史は事故の歴史であり、日本だけで数千万人の死傷者を出してきました。また、自動車には交通公害や地域の分断など、社会の発展を阻害する問題もあります。講義では、交通の功と罪の両面を学び、より望ましい交通のあり方を考えていきます。

受講生の声 ■交通社会の成り立ちからその変遷を知ることができ、興味をそそられる内容です。 ■交通政策に関心があって受講しました。先生の話がおもしろく、深い理解につながりました。 ■写真や図を多く使って解説していただける、わかりやすい授業でした。 ■難しい言葉を使わずに、また使う場合も丁寧に説明してくださったので聞きやすかったです。 ■授業のテーマが明確でわかりやすく、進度も適切でした。パワーポイントの見せ方も工夫されていました。

Q.「交通システム論」を社会安全学部で学ぶ意義は何ですか?

 交通の問題は多岐に関わっています。交通事故ひとつとってみても、事故を起こす人間の心理、事故を防ぐための組織の対応、そもそもの社会的な制度等々の問題と関連しています。社会安全学部では、そのすべてについて学ぶことができます。また、社会の発展のためには交通の進化・発達が必要ですが、その目的にとって安全を欠くことはできません。人や荷物がより速く、大量に輸送されても、負傷したり壊れたりするのが日常的なら、意味がないからです。何事もなく無事に届けられること、それが交通の第一の責務です。その安全の問題を総合的に学ぶことができるのが社会安全学部です。

交通システム論

受験生へのメッセージ  君たちに無限の可能性は、もはやない。でもそれは、悲しむべきことではありません。無限の可能性があったところで、人生は一回だけ。その中で、自分がやりたいことを慎重に選びとり、その準備をする。その過程で多くの可能性は捨てられていきますが、それは残された可能性を「大輪の花」として咲かせるために他なりません。大学に進学することで、また、ひとつの学部を選ぶことで、君たちはさらに多くの可能性を捨てることになります。だからこそ、そこに悩みが生まれることでしょうが、その結果として君たちが選び、咲かそうと思っている花を、私も見たいと思います。

ゼミ生からの一言  西村先生は、「いつも笑顔の優しい先生」です。ゼミ活動では、豊富な知識で私達を助けてくれたり、時には影から見守ってくれたりするので、ゼミの雰囲気はいつもとても良いです。また話に熱が入ると時間を忘れてしまうなどのお茶目な部分もあり、その可愛さも西村ゼミのマスコット的な存在として好かれる1つの魅力だとゼミ生一同日々思いながらゼミ活動を楽しんでいます。 ※この記事は2016年12月時点のものです。