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社会安全実践演習(危機管理計画立案)で、岸和田市の株式会社センエイ(岸和田市、合板加工)の工場を見学しました
2025年6月11日午前、関西大学・社会安全学部、社会安全実践演習(危機管理計画立案)の実習として、学生75名と教員5名が、バス2台で、岸和田市木材町のセンエイ工場を訪問し見学しました。
センエイ 間﨑泰光社長 講演(関西大学 梅田キャンパス 2025年3月18日)
学生75名の工場見学を受け入れて丁寧に説明して下さる社員60名のセンエイの方々
失敗に学ぶ、過去の教訓を忘れないための掲示
この過ちを繰り返すことなく「心づくしの製品をお届けします」
接着の不良とトレイサビリティ不能で大量返品となった住宅の階段部分の製品を掲げている。
学生にミニ講演する間﨑泰光社長
参加した学生からセンエイ間﨑泰光社長に寄せられたお礼状より
リスク管理というと大掛かりな設備投資や対策システムに目が向きがちですが、工場内の至る所に配置された細かな注意書きや、床の色分け、横断歩道を模した塗装によるエリア区分など、日常的な安全管理への細やかな配慮に感銘を受けました。これらの取り組みから、リスク管理とは大小様々な対策の積み重ねによって成り立っているということを実感しました。現場で働く社員の皆様一人一人が高い安全意識を持ち、日々の業務の中でリスク管理を実践されている姿を拝見し、組織全体での安全文化の醸成がいかに重要であるかも学ばせていただきました。このような企業文化は、一朝一夕に築かれるものではなく、長年の継続的な取り組みと全社員の意識統一があってこそ実現できるものであると感じております。(3年男子H)
特に印象的だったのは、工場全体が非常に整頓されていて、清潔に保たれていた点です。床には無駄なゴミや資材がなく、通路や作業スペースがきれいに整理されており、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)がしっかりと徹底されている様子がうかがえました。こうした取り組みが、安全で効率的な生産体制を支えているのだと強く感じました。安全管理の面でも、注意喚起のポスターや標識が随所に掲示されており、作業者の方々が常に安全を意識しながら仕事をされている姿が印象に残っています。特に「品質保証の3原則」や「安全十訓」などが掲げられていたことは、工場としての意識の高さを物語っていました。(3年 男子F)
実際に、ものづくりの現場を拝見して、見たことのない大きな機械や、合板が完成していく様子など、新鮮なものばかりで、見ていてとても楽しかったです。それだけでなく、床がグリーンゾーンとイエローゾーンで分けられており、横断歩道が設置されているなど、さまざまな方法で安全管理がなされているということも、自身の目を通して確認することができました。工場内のあらゆる場所で、スローガンの「感謝と挑戦」という言葉が掲げられていたのがとても印象的で、常に「感謝」と「挑戦」を大切にされているのだなと思いました。(3年 女子H)
今回のセンエイの見学で印象的だった点が大きく二つあります。一つ目は、工場内がきれいであったことです。私は今日の見学をするまでは「工場=汚い」という先入観を持っていました。しかし、センエイは用具などの整理整頓や床に作業で出る木の粉などが見受けられないなど5Sに力を入れていることがよく分かりました。こういった外部の人間からは見えない部分を徹底していることが、製品の品質の良さや会社の人間の人柄にも現れているのではないかと感じました。二つ目は、工場の至る箇所にセンエイのスローガンである「感謝と挑戦」やそれぞれの機械の取り扱いに関する注意事項が書かれたものが見受けられたことです。常に目に入るように配置の工夫がされているのに加え、可視化してあるという部分に学びを得ました。可視化することで作業の効率化にも繋がると感じました。特に、「この部分に注意」などヒヤリハットについての内容もあり、現場の人間しかわからないような事情の共有が効果的であるのだと学びました。(3年 男子Y)
実際に働いている方々の姿を見て、「合板」という存在が私たちの暮らしを陰で支えているのだと実感しました。大きな機械や材料を相手に、真剣な表情で黙々と作業される皆さんの姿を見て、まさに「ものづくりの現場」に息づく誇りや責任を感じました。普段あまり意識することのない製品の背景に、これだけの技術と熱意があるのだと知り、こうした仕事に携わる姿はとても格好良く、強く印象に残りました。昼食後の感想を一人ずつ話していく時間に、私含め全員の話を間﨑泰光社長社長が笑顔で「うんうん」と頷きながら聞いてくださっていたことがとても嬉しく思いました。昼食の時間も、社員の皆さんが和気あいあいと会話されていたり、私がヘルメットやインカムの装着に手間取っていた際には女性社員の方がすぐに助けてくださったりと、優しい雰囲気が印象的でした。こうした社員の方々が集まっているのも、社長の人柄あってこそだと感じました。(3年 女子Y)
事前学習した間﨑泰光社長の講演動画
事前学習として、2018年3月18日に関西大学梅田キャンパスで開催された間﨑泰光講演「株式会社センエイ 理念と経営」の動画を見ました。以下は講演の動画へのリンクです。
講演の中では、破綻したグループ企業7社の中で唯一生き残ったセンエイをいかに軌道に乗せたか。2018年の台風21号の時のこと、集塵機火災のことなど、いかに工場における危機を乗り越えていったかを話されています。
講演全体の動画(1時間29分)
「社長の息子になる」の部分の動画(1分40秒)
第2創業に関する部分の動画(2分25秒)
集塵機火災に関する部分の動画(1分28秒)
台風21号に関する部分の動画(53秒)
https://youtu.be/OnIksY0WqpE?feature=shared
とるリスク・戦略リスクに関する動画(1分59秒)
https://youtu.be/vVBnRSL5n4g?feature=shared
事前学習の動画への社会安全学部生の感想
過去のリスクから未来のリスクに備えた対策が行われていることが、社長として完璧すぎる動きだと思った。(3年 女子A)
台風で工場が被害を受けた際に、社員さんが自ら行動し工場を修復するという行動にとても感動した。このことから感じたのは、やはりトップである社長の人柄や、そもそもの会社の雰囲気、企業理念などの会社を支える基となるものがしっかりしているからこそのことだと思った。(3年 男子I)
台風の時に、工場を止めていいか、お客さんに直接聞いてしまうという発想がなかったので、驚きました。それほどお客さんとの距離が近いからこそできる判断であると思いました。 (3年 男子O)
台風によって工場の屋根が飛ばされたり、集塵機の火災によって工場が稼働できなくなったりした場合、普通はその工場の設備が修理できるまで工場は稼働できず、商品も製造することができないが、間崎社長は、あらかじめ同じ機械を持っている周辺の工場に、何かあったときは助けて欲しいと協力し合えるような関係を持っておいたことで、台風の時も火災の時も周辺の工場の機械を貸してもらうような形で製造を続け、取引をしているお客さんのもとに商品を届けることができた。(3年 男子K)
1998年のアジア通貨危機による事業破綻という深刻な挫折を、諦めるのではなく成長の機会として捉え、2005年から単独での事業再建に取り組まれた姿勢には、経営者としての真の強さが表れていると思います。特に印象深いのは、40人の社員との合宿で経営理念を策定したという参加型の経営手法です。理念を経営陣が一方的に決めるのではなく、全社員が参加して共に作り上げることで、組織に真の一体感を生み出されました。そして台風や工場火災といった危機への対応において、技術的な対策以上に社員との信頼関係と明確な理念が基盤となったという指摘は、リスクマネジメントの本質を示しています。(3年 男子H)