【講演報告】6/16(水) 客員教授 小池 俊雄 氏による講演会を開催しました

6/16()、国立研究開発法人土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)センター長であり、東京大学名誉教授でもある小池俊雄氏をお招きし、「変革期の治水」と題して講演会が開催されました。

本講演では、近年頻発する激甚水害の背景にある気候変動や社会構造の変化を踏まえ、災害リスクに強い持続可能な社会の実現に向けた「流域治水」の重要性が示されました。小池氏は、降雨パターンの変化や高齢化・人口移動など多様な社会的要因が水災害リスクに与える影響を、最新の研究データとともに解説。さらに、流域全体を俯瞰し、上流・中流・下流の連携、自然環境の保全、地域住民の参画による包括的な対策の必要性が提言されました。

また、初めて環境問題が国際的に議論された1972年のストックホルム人間環境会議(正式名称:国連人間環境会議)から2015年の第70回国連総会(国連サミット)でSDGsが採択されるまでの流れ、国際的な防災枠組み(仙台防災枠組、SDGs等)との連動や、科学と政策、地域社会との「知の統合」に基づく新たなアプローチの必要性についても触れられました。

本講演は、防災・減災の枠を超え、環境・経済・社会が統合された未来志向の治水戦略を考える貴重な機会となりました。

20250618_koike.jpg

20250618_koike2.jpg