「令和6年能登半島地震 学生ボランティア情報交換会」活動報告

4月2日(火),教員有志で企画した標題の情報交換会に学部生・大学院生(研究生含む)合わせて23名の学生が参加してくれました.

令和6年能登半島地震の発生を受けて,ボランティア活動や被災者支援のプロジェクトに参加した経験をもつ学生や,活動実績はないけれど体験談を聞いてみたいという学生,石川県出身の学生など,学年や研究室の枠を越えて,「何か行動したい」という思いを持つ学生たちが熱心に意見を交わす様子が印象的でした.情報交換会に参加した教員8名に対する質問も絶えることはなく,あっという間の2時間でした.今回,開催した情報交換会が彼らの今後の継続的な活動や学びの一助になればと願っています.また,今回は参加できなかった学生たちの参考のために,どのような意見が交わされたのか,一部を以下に列挙します.

<被災地での活動に参加して良かったと感じたこと>
1. 被災者から感謝された
「ありがとう」という一言で,行ってよかったと思うことができた.涙を流して喜んでいただけることもあった.
2. 被災地を自分で確かめることができた
災害が発生するとどうなるのかを知ることができた.被災地に行く前にも,大学の講義や報道を通して知ったつもりでいたが,実際には何も分かっていなかった.
3. 視野が広がった
普段接することのないような人びとが被災地で活動しており,こういった人びととの出会いが自分の視野を広げるきっかけになった.
4. 伝えるという役目を得た
支援者は,活動を終えると必ず被災地を離れ,自分の住んでいるまちに帰る.支援者は被災地で起きていることを,被災地の外にいる人びとに伝えるという役目を得ることができた.

<被災地での活動に参加して課題だと感じたこと>
1. 思っていたことと違う
被災地で活動していると,自分にでもできると思っていたこと以上のことを期待されたり,期待されていたこと以上のことをやりたいと思うことがある.期待されたことができなかったり,やりたいと思ってもやらせてもらいないときに悔しい思いをした.
2. ニーズとして挙がらないが支援すべきことがある
「支援は必要ないですか」という問いかけに対して「大丈夫です」と回答する人たちの中にも支援すべき人たちがたくさんいる.例えば,うまく「助けて」と言えない子どもたちのメンタルケアや,頑張りすぎている中年層の方々に対する支援も必要だと感じた.
3. 被災された方々とどう接したらいいか分からない
単純に現地の地名や方言が分からない.被災された方々にどう声をかければ良いのか分からない.もともと被災者の皆さんが大切にされていたものを災害ゴミとか瓦礫と呼ぶことに躊躇いがある,など.
4. やっても,やっても終わらないという無力感
使えなくなった家財の撤去だけでも終わりが見えない.
5. まだボランティアなどの活動をしたことのない人びととの接し方

写真1
写真1 グループ内で情報交換をする様子
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写真2 グループ間で情報交換をする様子

発起人 奥村与志弘,菅磨志保,河野和宏,廣川空美
(文責)奥村与志弘