BERC 寄附講座「企業の社会的責任と消費者教育」第5回 株式会社オリンパス

講義報告

2017年12月6日

関西大学社会安全学部3年

城戸 安奈


 2017年12月6日5時限、社会安全学部「BERC寄附講座(担当:髙野一彦教授)」において、株式会社オリンパスCSR推進部大関和彦氏が来校され、ご講演をいただきました。オリンパスのCSRは社会と融合し、価値観を共有しながら事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという意味の「Social IN」を経営理念とし、すべての活動の基本理念とされています。同社のコーポレートガバナンスには大きな特徴があり、約半月に一回行われる取締役会の11名の取締役のうち、6名が独立社外取締役にされています。社外取締役は他社の経営に携わっている方も多いため、社内の立場に囚われず経営判断を行うことができます。

 ご講義は以下の内容で構成されました。
1. オリンパスの会社概要 
2. オリンパスにおけるCSR
3. 業界・産業の概要
4. 社会への義務・責任を果たすCSR
5.  社会からの要請・期待に応えるCSR
    1.事業を通じた社会への貢献
    2.社会貢献活動


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多くの生徒が興味深く拝聴し、質疑応答の時間にはヘッドバンドディスプレイなどの機材についての専門的な質問を投げかける生徒も見られました。

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内視鏡やCSR活動について、動画や冊子を使って解りやすく解説していただけました。 オリンパスは元々顕微鏡の国産化を目指し創業され、私達になじみのあるデジカメ業界に参入されたのは1996年からになります。しかし、現在は医療機器が売り上げの76%を占めており、医療機器メーカーとしての面が強くなっています。また、同社は輸出が大変多い企業であり、これは全体の売り上げの中で日本国内の売り上げが21.3%に留まっており、80%近くの売り上げが海外のものであることからもよくわかります。同社はこれらの強みを生かし、CSR活動として新興国での医師育成活動の支援などを行われておられます。

 その他のボランティア活動としては、世界各地における医療啓発活動などをされています。日本国内では7月14日を「内視鏡の日」に定め、内視鏡検査への理解を深めるための啓発活動をされています。また、顕微鏡メーカーとしての立場から、小中学生の理科自由研究コンクールを50年以上協賛されていたり、小中学校での科学教室なども実地されています。

 オリンパスは1950年に世界初の実用的な胃カメラを開発されてから、医師と築き上げた信頼関係をいかした製品開発・改良に取り組まれておられます。前述の医師育成活動や医療啓発活動は、単なる社会貢献活動のみならず、医療機器メーカーとして持続的な価値提供を行うための取組としても機能しています。