第14回関西大学高槻ミューズキャンパス公開講座を開催しました

 11月20日(水)、「地域社会と安全・安心な街づくり」をテーマとする第14回関西大学高槻ミューズキャンパス公開講座を開催しました。
 まず、高槻市の建築資材業者、港製器工業株式会社の経営者である岡室昇志氏により、ブロック塀の問題が提起されました。かつて普及したブロック塀は、現在傷んだまま取り残されてあちこちで倒壊の危険にさらされています。そこで岡室氏は、コスト的にも施行の容易さからも次世代の塀として有望な「スーパーフェンス」により、市街地のエクステリアを改善する提案がなされました。この「スーパーフェンス」はアルミの支柱の間に間伐材のひのき板を落としてはりめぐらした軽量かつ頑丈な塀で、「スーパーフェンス」を使うことで美観の向上が期待できるだけでなく、防災・減災機能も果たし、また、森林の間伐促進により環境に配慮することにもなるとのことでした。
 次いで、本学の亀井教授からは、高槻市のようにマラソン大会を長年継続して地域で運営していくことの重要性が説かれました。マラソン大会を企画・開催することで、運営側はランナーの健康管理から医療体制の確保、警察との協力を通じた交通規制や、ボランティア配備など多岐に渡る問題からリスクを取り扱うことになります。地域社会がスポーツを推進し、マラソンなどのイベントを運営することの意義は、こうしたリスクを取り扱う問題の解決を通じてリスクマネジメントを体験することにあり、スポーツを通じたコミュニケーションを行いつつ、結果として、地域環境が持つさまざまな機能や特性を認知したり整備したりして、街の資源を有効に活用できるようになるとのことでした。