東日本大震災緊急シンポジウム:菅磨志保 准教授の講演概要を掲載しました

3/30(水)に関西大学高槻ミューズキャンパスで開催する「東日本大震災に関するシンポジウム」におけるパネリストからの講演概要(各テーマごと)を掲載します。
講演概要は開催当日までに1日1テーマを予定に更新していきます。

⑦ 「 ボランティアの課題 」 菅磨志保 准教授
 
 災害時のボランティア活動が、普段の地域活動と異なる点は、全く知らない地域で、初めて会う人同士が支援し/支援されるという関係が取り結ばれること、しかもそれらが大量に展開されること、である。
 16年前の阪神・淡路大震災では、2か月に100万人の人が動き、日本国中から熱い視線が注がれた。しかしその一方で、善意による支援には様々な問題も付きまとう。この震災以来、災害が起こると、被災地には必ずボランティアの姿が見られるようになったが、その背後では常に、活動に伴う問題を克服し、よりよい被災者支援を実現させていくための、様々な努力が行われてきた。
 東日本大震災では、かつて経験したことがないくらい多くの障害──続く余震や原発問題、通信環境の悪さ、ガソリン不足等々──が支援活動を阻んでいる。しかし、これまで積み重ねてきた努力や人のつながりによって、これらの障害を乗り越えていく動きも生まれている。本報告ではそうした動きを紹介しながら、私たちにできる被災地支援の可能性と課題について考えていきたい。
【その他の講演概要】
① 「 原子力発電所の被災とその影響 」小澤守 教授
② 「 巨大複合災害としての東北・関東大震災 」 河田惠昭 教授
③ 「 マクロ経済への影響と経済復興 」 永松伸吾 准教授
④ 「 ライフラインの被害とその影響 」 安部誠治 教授
⑤ 「 地震のメカニズムと特性 」 林能成 准教授
⑥ 「 津波のメカニズムと特性 」 高橋智幸 教授