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学びのスタイル

小さな装置で簡単に風の流れをつかむために、
模型を空中に浮揚させる装置の作製に挑んでいます。
理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
藤原 秀誠
研究テーマ:簡易風洞用磁気支持天秤の開発

飛行機などのボディを設計する際には、風洞実験を行って風の流れを把握します。しかし風洞内では模型を宙に浮かすことはできないので、吊すなどして支えねばなりません。この場合は風の流れが変わるので、測定後のデータに修正を加える必要があります。わたしは、小規模な風洞実験が手軽にできて、計測したデータをそのまま利用できるようになればと考え、小さな模型を空中に浮揚させる装置の開発に取り組んでおり、現在、永久磁石とコイルを用いた磁力制御によって磁石玉を宙に浮かせる装置を作製中です。難しいのは、磁石玉を釣り合って浮く中立点に保持すること。そのため、玉の位置をレーザーを用いて読み取る装置を開発しました。今のところ玉は、糸で水平方向に仮保持した状態で浮いています。これが糸の助けを借りずに浮くようになれば、さまざまな形の模型に玉を埋め込み、宙に浮かせたいと考えています。この研究のおもしろいところは、完全にゼロからの実験であること。つまり、容易に入手できる汎用品を組み合わせたり、加工することにより、オリジナルで開発している点です。すでに存在するものの改良ではないので、試行錯誤の連続ですが、この研究室では自分たちなりに工夫を凝らし、自由に研究を進めることができます。今後もこの経験を生かし、社会に出ても新しいことにどんどん挑戦したいです。


物理・応用物理学科
板野 智昭 准教授

さまざまな個性をもった人が集まって「流れ」の世界に取り組んでいます。

生物の体内から扇風機の風まで、さまざまなスケールの「流れ」について研究しています。流体の運動を理解しようとすると、理論・実験の両面にわたり広く物理学の知識が必要となりますが、学部時代に機械工学を学んだ藤原さんは、機器に関する豊富な知識や加工の技術を生かし、ユニークな実験に取り組んでいます。理論的な面は教員がフォローするので、楽しみながら自身の得意分野を伸ばしていってほしいですね。

※この学びのスタイルは2011年度のものです。

自作の装置を使って「光を作る」研究に挑んでいます。
物理・応用物理学科
4年次生 山本 寛子
研究テーマ:超短パルス電子ビームの放射過程

光が出る原理を、量子力学と電磁気学の両方の面から学んでいます。電子は、その軌道を曲げられたり、ものにあたったりすると光を放射します。また、電子は軽く、電圧を加えると簡単に加速する性質があり、その性質を利用すると「光を作る」ことができるのです。私の研究は0.01mm3というとても狭い空間に密集したたくさんの電子が、どのように光を作るのかということを理論と実験の両方から調べることです。まずは物理学の世界で名著といわれている英文の理論書を読み、出てくる数式を目に見える形にするために、グラフやベクトルの立体模型を作ったりして、内容を自分で実感できるように工夫しています。また毎週の発表で、わかったことを言葉で人に伝える練習もしています。研究室の他のメンバーの意見を聞くと、「どこがわかっていないのか」がつかめるので、とても有意義です。内容を完全に理解するのは容易ではありませんが、読み進めるのと並行して、そこに出てくる数学的なアイデアを利用しながら、自分でも理論を組み立てて、装置を作っていきます。目標はテラヘルツ(携帯電話の約1000倍の周波数)の光を発生させることです。この光は固有の振動数を持った物質を特定したり、分子を分解することができるので、非破壊検査や医療診断技術にも生かすことができます。私にとって一番おもしろいと感じるのは「数式が現実の形になっていくプロセス」ですが、理論の向こうに日常生活とのつながりが見えるのも興味深いですね。


物理・応用物理学科
淺川 誠 准教授

光が出るとはどういうことなのか、
原理から考え新しい装置を創造します。

物理・応用物理学科では3年次秋学期から研究室で学びます。山本さんは勉強好きで、毎日熱心に理論的な研究に取り組んでいます。これからは数式を実験装置という具体的な形にすることも学んでもらい、将来、創造力のある技術者として社会で活躍してくれることを期待しています。

※この学びのスタイルは2010年度のものです。

物理学を深く学び、自ら半導体を作りながら
火炎検出器の開発に取り組んでいます。
工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
橋本 興範
研究テーマ:ソーラーブラインド紫外線検出器

太陽光線の中でも、波長280nm以下の紫外線は、地球に到達する前にオゾン層に吸収され、地上での太陽スペクトルには含まれません。一方、「炎」は250〜280nmに独特の紫外線スペクトルを示すので、このような波長領域にだけ感度を示すセンサーは、火炎検出器として利用することができます。真空管を使用したこの種のセンサーはすでにありますが、大きすぎるため、工業炉の制御などにしか用いられていません。そこで私は、真空管の代わりに半導体を使ったセンサーを作る研究を進めています。現在は、石英にジルコニウムを蒸着し、高温処理を行って、半導体である酸化ジルコニウムのサンプルをつくっている段階です。自ら作成した半導体は、結晶の大きさによって少しずつ性質が異なるので、各サンプルに電極を取り付け、光をあてて抵抗値を測る実験を繰り返し、センサー材料として最適な性質を示すものを探しています。最終的に小型紫外線検出器が完成すれば、火災報知器にもなるし、ガスレンジなどの消し忘れ防止装置として使うなど、将来の普及が期待できます。扱いやすく手軽で、生活に役立つ製品が生まれればと思っています。この研究に取り組むようになってから、一つの測定結果に対して、どんな物理現象や物性が関わっているのかを深く考えるようになりました。物理学に向き合う毎日に手応えを感じています。


物理・応用物理学科
齊藤 正 教授

光デバイスについて深く幅広く探求しています。

光デバイス(光の物理的性質を利用した電子部品)の研究には、材料の創製から構造設計、特性評価まで多くの過程があります。研究室ではそのすべてを一人でカバーすることもできるし、いずれかの分野にこだわって研究することも十分に可能です。学部時代に機械工学も学んできた橋本君には、その強みを生かして研究を進めてもらいたいですね。

※この学びのスタイルは2009年度のものです。

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