KANSAI UNIVERSITY

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学びのスタイル

器具を使う人が楽しみながらリハビリテーションを続けられるように映像の提示効果を分析する研究を進めています。
機械工学科
4年次生
伊関 志将
研究テーマ:リハビリテーション訓練時における映像の提示効果 ‐ヒトの生理指標を用いた比較‐

病気や外傷からの回復をめざして取り組む筋肉回復のリハビリは、決して楽ではありません。病院での調査によると、リハビリはある程度負荷をかける方が回復が早まるとされ、なかにはリハビリ訓練を1日3回、1回1時間のペースで実施するケースもあるそうです。私は、リハビリ訓練時の心の疲れや、そこからくる肉体疲労などが、運動時に映像を見ることで軽減されるのではと考え、検証実験を行っています。実際のリハビリ訓練時に用いられるエルゴメーターを使って運動してもらい、映像を「見ている」「見ていない」「音声なしで見る」の各場合について、心拍数を半年間測定し続けました。当初は「海などの映像を見ると心拍数が下がる」と予想しましたが、結果はもっと複雑でした。ホラー映画を見て心拍数が下がる人、何も映像を見ない方が心拍数が下がる人、音声を聞くと心拍数が上がる人など、個人差が大きいのです。ただし、全員が「映像を見ると時間が短く感じられる」と答え、また運動後、安静時の心拍数に戻るまでの時間は、映像を見た人の方が短くなっていました。映像を見ると運動に集中できない分、疲労感が軽くなるとも考えられますが、まだ十分な分析には及んでいません。難しい研究ですが、人には個性があって「どの映像を見せればどうなる」と一概に言えない点におもしろさがあります。今後は被験者のタイプをグループ分けして、さらに分析を進める予定です。


機械工学科
村上 佳広 専任講師

人間の感情や思考に焦点を合わせた研究が、
ユーザフレンドリーな福祉機器の開発につながります。

伊関さんは「人によってちがう」という結果が出たことを「困る」と見るのではなく「それなら分類をしよう」と研究を前に進めていける、アイデア豊富な学生です。研究が先に進み、映像の提示効果が明らかになってきたら、リハビリテーションの現場でも実験を行いたいです。人間のことを切り離して、福祉機器の設計はできません。研究室としても、さらにユーザの視点に立った設計をめざしたいと考えています。

※この学びのスタイルは2011年度のものです。

新開発された砥石の特性を知り、
ナノレベルの加工精度に挑戦しています。
理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
平嶺 雄
研究テーマ:メカノケミカル砥石による光学ガラスの超仕上

「メカノケミカル砥石による光学ガラスの超仕上」という研究テーマに取り組んでいます。メカノケミカル砥石は、ダイヤモンド砥粒による機械的除去作用に加え、セリア砥粒が引き起こす化学反応によってガラスを磨くことができる特殊な砥石。この砥石を使えば、コンパクトな装置で、従来のダイヤモンド砥石よりもきれいに仕上げができます。一方、砥石を使わず遊離砥粒を用いたポリシングに比べると、研磨の精度がやや悪くなってしまいますが、仕上げ速度は大幅に向上します。また砥石と水だけで研磨できるため、環境に負荷をかける廃液を出さないというメリットもあります。私は、数ナノメートルという高い精度が求められる光学ガラスの仕上げにメカノケミカル砥石が広く使われるように、実験によって砥石の特性を詳しく調べています。現在、世界各地で次世代超大型天体望遠鏡の開発が進められています。直径1.45メートルほどの六角形の鏡を約500枚組み合わせて作成される主鏡の仕上げには、非常に精密な加工技術が求められていますが、メカノケミカル砥石による超仕上は、数年後に主鏡の仕上げ技術として採用される可能性も十分にあります。「次世代超大型天体望遠鏡を支える技術として生かされるかもしれない」と思うと、毎日の研究にも自然に熱が入ります。


機械工学科
山口 智実 教授

加工学を中心に、
超精密微細な生産技術を追究しています。

加工技術は今日では、原子レベルの現象を研究対象とします。そのため、加工学のみならず、化学、原子物理学などの高度な知見と、装置や機器に関する専門的な知識が要求されるようになりました。生産加工システム研究室では、オリジナル性の高いさまざまな研究を進めていますが、なかでも光学ガラスの超平滑な研磨加工技術は最先端技術の一つとして注目を集めており、研究の進展が楽しみです。

※この学びのスタイルは2010年度のものです。

力学の知識を応用し、毛細血管を通る
赤血球の様子について研究しています。
工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
今村 祐哉
研究テーマ:マイクロチャンネルを用いた赤血球の形状回復能に関する生態外実験と解析

研究テーマは「赤血球が毛細血管を通る時、どのようにふるまうか?」。毛細血管に似た断面5μm×5μm、長さ100μmの微細な流路を作って赤血球を通過させ、その様子を顕微鏡とハイスピードビデオカメラで観察しています。この流路は赤血球(直径8μm)より狭いのですが、健康な赤血球は、非常に柔らかく変形しやすいため、通過後、ゆっくりと回復していきます。柔らかいバネを縮めておいて放すと、ゆっくり戻るのと同じ原理です。しかし病気などの理由で硬くなった赤血球は、硬いバネが「縮めるのに力が必要で、放すと一気に戻る」のと同じ力学的性質をもっています。以上の理由から、赤血球が流路から出てきて回復するまでの時間を測ることで、赤血球の柔らかさを評価し、それによって人の健康状態を知ることができる、と考えました。今後この研究が応用され、血液検査機器として実用化されれば、糖尿病などの病気の早期発見などへの活用が期待できます。さらに、評価に必要な血液は1滴で十分なので、人体に負担をかけない検査法として、将来の医療に役立てばと思っています。学部に在学していた頃は、主に機械を中心とした力学を学んできましたが、今はその知識をもとに人体に関する研究をしています。力学をヒトという生体に対しても応用できるということを知り、視野が広がったように思います。


機械工学科
大場 謙吉 教授

流体力学によって人体を研究し、
医工学分野に貢献しています。

当研究室では「工学とは人間の役に立つ知識とものを創る科学である」というモットーに基づき、流体力学とバイオメカニクスを研究しています。今村君が取り組んでいる研究は、医療の未来に直接役立つテーマです。人間の身体は、自然界で最も複雑なシステム。そのさまざまな働きを力学の問題として取り扱うことで、生命現象の本質が見えてくるのが非常に興味深いところです。

※この学びのスタイルは2009年度のものです。

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