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学びのスタイル

統計の手法を用いて原画像を復元する
アルゴリズムの開発に取り組んでいます。
理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
長谷川 亮太
研究テーマ:変分ベイズ法と確率伝搬法を用いた画像の修復と領域分割

電子顕微鏡や人工衛星、医療機器などが撮影した画像は、拡大して見ると、レンズの不完全性や熱環境変化などのために多少は汚れており、本当に撮りたいものとは違うものになっています。わたしは、不完全な状態にある観測画像から、画像処理によって、本来あるべき状態の原画像を復元する研究を行っています。画像を復元する2つの方法は「エッジ(輪郭)の復元」と「ノイズ(汚点)の除去」ですが、ノイズを除去するとエッジがぼやけることもあります。そこで、この2つの作業をバランスよく行い、くっきりとした美しい画像を得るための計算式を開発することが必要になります。画像上のすべての点について計算しようとすると、計算量が膨大になり、今のコンピュータで処理することはほぼ不可能。そこで、統計的な手法を使って、計算量を現実的な範囲に押さえながら原画像を推定する方向で研究を進めます。わたしは変分ベイズ法と確率伝搬法という2つの統計手法を組み合わせ、試行錯誤の末に、独自のアルゴリズムを導き出しました。現在は完成度を高めている段階ですが、PC上で検証を行い、エッジがよく表現された画像が得られると知的な喜びに満たされます。画像処理の研究は、人間が網膜という2次元センサーで得た視覚情報を、どのように3次元として認識しているかを知る手がかりにもなるため、脳のしくみを考えることにもつながると思います。


電気電子情報工学科
三好 誠司 教授

自然科学、情報科学、工学の
幅広い分野に応用できる研究です。

研究室では、統計力学の計算手法を使って、学習、記憶、信号処理など情報の問題に挑戦しています。長谷川さんは、データの背後にある本質をいかに抽出するかという問題に画像処理の分野から取り組んでいます。近年は各分野で計測技術が進み、データ量が爆発的に増えていますが、今後は大量のデータから知りたいことを効率よく取り出す必要性が高まると予想され、わたしたちの手法も役に立つのではないかと考えています。

※この学びのスタイルは2011年度のものです。

リアルな3Dホログラム動画の実現を夢見て、
トライ&エラーを繰り返しています。
理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 1年次生
松田 篤史
研究テーマ:電子ホログラフィによる立体動画像の再生

「コンピュータ上で合成した画像を立体ホログラム動画として動かすこと」をめざして研究しています。ホログラフィは「波」の一種である光が干渉・回折する性質を利用して、光の情報を記録し、立体画像の再生などに役立てる技術。最近話題になっている3D映画やディスプレイなどは、特殊なメガネをかけなければ立体視できず、また、目が疲れやすいという問題点があります。しかしホログラフィを用いれば、実在する物体を見るのと同じ自然さで見ることができるので、より自然な3次元映像を楽しむことができるのです。アートの世界ではホログラム3D画像の作品が制作されていますが、本当にリアルで見やすい3Dホログラム画像を動画にすることには、まだ世界中の誰も成功していません。それだけに実現は容易ではありませんが、やりがいは十分に感じています。現在のところ、光の方向を制御するためにSLM(空間光変調器)という装置を活用しようと考えており、その構造や原理について深く理解するために、プログラミングと並行しながら、光学装置を使った実験を行っています。光学実験は研究室周辺を通る車の音などにも気を配りながら慎重に進めます。というのも、この装置は人が感じないほど微細な振動の影響も受けやすいからです。いつの日か、物体が空間上に飛び出してくるように見える、迫力ある立体映像を作りたいと思います。


電気電子情報工学科
松島 恭治 教授

光学技術がコンピュータの力を借りて
新しい可能性をもつようになりました。

ホログラフィには50年以上の歴史がありますが、最近のコンピュータの高速化、大容量化によって、コンピュータ合成ホログラムの表示技術が飛躍的に向上しました。ホログラフィは立体画像以外にも、お札の偽造防止、DVDに代わるホログラフィックメモリや光コンピュータの演算素子など、さまざまな応用が行われており、産学共同研究も活発な研究分野です。

※この学びのスタイルは2010年度のものです。

判別しにくい「疲れ」を定量化。人の感性を
測定するという未知の領域を研究しています。
理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 1年次生
河野 悠平
研究テーマ:脳機能計測技術を用いた感性評価に関する研究

見た目だけでは客観的に把握できず、感じ方にも個人差がある「疲れ」という現象。この疲れの度合いを、定量化する手法について研究しています。現在は脳を使ったときに生じる「精神的疲労」の定量化を研究中。疲れると脳の動きが鈍る人間の特性に注目し、人間の脳機能を計測できる装置「近赤外分光法装置(NIRS)」を使って疲労度を解析しています。具体的には、被験者に知恵の輪や単純な計算式を解いてもらった後、被験者の頭皮上から近赤外線を照射して血中のヘモグロビン濃度を計測。実験前の血中濃度との変化をみて疲労度を定量化していきます。現時点では、信頼できるデータを蓄積しているところなので、今後は精神的疲労と身体的疲労との関連性について研究したいと思います。「疲れ」の定量化が可能になれば、今問題となっている「過労死」が未然に防げるほか、この研究が発展すれば「好き・嫌い」など絶対的な定義のない感性をも定量化できる可能性もあり得ます。このように、工学の視点から感性を研究する「感性情報工学」という領域は、日本から生まれた新しい工学分野。文献や前例に頼ることはできませんが、自分のアイデアを取り入れながら解析手法を開拓していけることに、大きな喜びを感じています。


電気電子情報工学科
村中 徳明 教授

医療などさまざまな分野で貢献できる、
大きな可能性を秘めた研究です。

河野君が行っている研究は、単純には割り切れない「人の心」を、客観的に定量化しようというもの。前例のない研究だけに難しさを伴いますが、定量化が成功することで、例えば医療分野において寝たきりの方との意思疎通に活用でき、患者の意思を尊重した医療が施せる可能性もあります。

※この学びのスタイルは2009年度のものです。

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