文学研究科

博士課程前期課程(文化共生学専修)

現今、「共生」という言葉がマスコミ、企業、自治体などで用いられているが、これは現代のキーワードのひとつである。文化共生学専修ではヨーロッパと日本をフィールドにし、異文化理解、比較文化論、マイノリティ(少数民族)論、ジェンダー論、サブカルチャー論などから「文化」と「共生」の問題を研究する。テーマは多種多様ではあるが、学生諸君の関心のある問題を特化したかたちで、ゼミ運営をおこなう。

文化共生学研究

異文化理解、比較文化論、マイノリティ(少数民族)論、ジェンダー論、サブカルチャー論という4つのカテゴリーを中心に専門的な講義をおこなう。具体的テーマはヨーロッパの「異教」とキリスト教の文化接触、植民地主義とナショナリズム、ヨーロッパの共生思想、日本とヨーロッパの祭りの比較、民間伝承、魔女とジェンダー、移民や環境問題、旅行論と紀行文学、EU問題、食文化、風俗文化史など多岐にわたるが、各教員の専門領域にシフトした内容となっている。地域としてはヨーロッパ西部、とりわけフランス、ドイツ、トルコ、イタリア、地中海沿岸などの文化をメインとしている。

【担任者および研究テーマ(概要)】
  • 澤井 一彰教授

    研究テーマ:トルコを中心とする地中海・イスラーム地域研究、食文化史研究

    ①トルコを中心とする東地中海や中東の地域研究

    ②東地中海から中東にかけての地域で発生した(あるいは現在もしている)経済的・文化的な事象を、歴史学的な視点から解明することを目指している。とくに食文化などの日常生活の変化や自然災害からの復興のあり方に関心をもって研究を進めている。

  • 溝井 裕一教授

    研究テーマ:西洋文化史、人と動物の関係史

    「人と動物のかかわり」を手がかりとしつつ、東西文化を見なおす取り組みを精力的に行っている。最近はとくに、動物園や水族館の歴史に焦点をあてている。

  • 森 貴史教授

    研究テーマ:ドイツ文化論、サブカルチャー論、ヨーロッパ旅行史

    ドイツを中心としたヨーロッパの18世紀以降の広範な文化についての研究や、日本のサブカルチャー・コンテンツの分析にくわえて、ヨーロッパの古代から現代にいたる旅行文化史を研究している。

  • 青木 敬准教授

    研究テーマ:大西洋文化圏を中心とするクレオール文化論、ポルトガル語圏地域研究

    西アフリカ島嶼地域カーボヴェルデ共和国におけるクレオールを中心に、音楽とアイデンティティの関係について文化人類学的に研究している。またポストコロニアルの観点から、歌詞にみられる世界観やメッセージがどのように変化しているのかについて分析している。