文化共生学専修
専修概要
21世紀の新しい学問:
文化共生学
共生という言葉は近年、テレビ、新聞、コマーシャルだけでなく、行政、政治のなかでも頻繁に使用されるようになってきました。自然環境との共生、多文化共生、共生社会の創設、男女の共生、国際紛争の和解などが標榜され、これらのスローガンが時代のトレンドやキーワードになっているといえます。
わたしたちはグローバル化時代の競争社会によって、国際的な文化摩擦、先進国と発展途上国との経済格差、貧困、自然破壊、地球温暖化や環境問題という課題をかかえています。このような状況のなかで、独善的なナショナリズムや市場経済第一の資本の論理、さらに排他的な宗教原理主義をふりかざすならば、事態はますます混迷を深めるばかりです。
現在なおテロ、戦争、国際紛争、宗教対立が生じていますが、先行き不透明な時代の閉塞感を打開するためには、対立・衝突から共生へのパラダイムの転換をしなければならない時期にきています。共生が現代や近未来のキーワードといわれるのも、このような時代的要請があるからです。わたしたちは今、21世紀にふさわしい平和的な共生のあり方を見出すことが急務になっていると考えます。
文化共生学は文化を通じて共生のあり方を問う学問です。そのためには文化そのものを把握し、異文化を理解することが前提になります。この文化論や比較文化という視点から、文化摩擦のメカニズムが解明でき、対立から共生への糸口を見出すことも可能であるからです。さらにその延長線上に、ジェンダー論やマイノリティ論が位置づけられますが、文化の考察はさらに色彩論、マナー論、サブカルチャー論、旅行論などへ展開することができます。
わたしたちは共生とは、相手や異文化の違いを認めつつ、ヒューマニズムや人権に立脚した人間と人間とのかかわり方を築いていくという意味に理解しています。したがって文化共生学は、対立や偏見を乗り越え、人間らしい市民のあり方を創造していくという革新的な意味を内包しているのです。
近年、日本の大学でも従来の学問領域の枠組みを越えた、異文化理解、多文化共生、国際関係、環境などの新しい学部、学科、専修が設立されていますが、わたしたちも文学部のなかから、学際的領域にかかわる新しい学問を発信していこうと考えています。多くの学生諸君が文化共生学に関心をもち、わたしたちの専修の扉を開いてくださることを期待しています。なお詳しく知りたい方は、専修オリジナルのホームページをご覧ください。
カリキュラム
グローバル化と専門化、
双方向を視野に入れた教育
文学部としてふさわしいテーマやアプローチを前提にしながら、言語文化、思想、図像、モノ、パフォーマンス、フィールドワークという多様な切り口から、グローバル化だけでなく、対象に深く切り込む専門化のアプローチという、双方向を視野に入れた教育を実施します。あわせて翻訳文献だけでなく、最低、英、仏、独の一カ国語の文献を駆使した卒業論文を作成することを目標にします。
現在、4つの教授目標の柱を立てておりますが、スタッフの専門領域を活かし、ヨーロッパと日本を中心にした視点からの授業内容を設置しています。
(1)異文化共生論(共生のパラダイム、サブカルチャー論、移動の文化)
- メインカルチャーとサブカルチャー
- テーマパーク論 ポップアート論
- 旅行記における文化摩擦と共生
(2)比較文化論、文化表象論(モードと風俗論)
- ヨーロッパの祭りと日本の祭り
- 化粧と衣服論
- 色彩論
- マナー論
(3)ジェンダー論(女性論)
- 魔女狩りと集団妄想
- ヨーロッパの女神信仰と母権制
(4)マイノリティ論(少数民族、外国人問題)
- ユダヤ人、ロマ、バスク論
- ヨーロッパの外国人問題など
講義・演習


