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学生の声(Students' VOICE)メディア情報系

学生の声一覧

メディア情報系 4年次生 吉田 直人さん(Naoto Yoshida)

求めていた"もの作り"ができる環境

子どもの頃から工作とコンピュータが大好きで、高校生の時にはパソコンを使って映像作品を作ったこともありました。とはいってもプログラムの知識や高度な表現技術があったわけではないので、本当に趣味程度でした。進路選択の際、何かもの作りのできる大学に進学したいという漠然とした希望はありましたが、私にとって大学での学びは教室で講義を受けるイメージ。大学で何かを作れるとは想像もしていませんでした。そんな時、たまたま参加した総情のオープンキャンパスで私の持っていた大学のイメージは一変しました。目にしたのは、学生それぞれが自分のテーマでもの作りにイキイキと取り組む姿。これこそが自分の求めていた環境だと確信しました。

幅広い知識の積み重ねが研究の糧になる

総情では1~2回生の授業で、その後より深く自分の研究テーマを掘りさげていくために必要な基礎力を養います。実は私が1回生の時は『なぜメディアに直接関係のない授業を履修しないといけないの?』と疑問に思うこともありました。しかし今になって感じるのは、何かを作り出すには偏った知識だけではなく、広い視野と教養が必ず必要になってくるということ。情報に関わるさまざまな知識と技術を多角的に積み上げるからこそ、自分の思い描く研究やもの作りが可能になるんですね。いざ研究を進めていくと、関係が薄いと思っていた授業『心理学』と『インタフェース工学』がリンクして、画面デザインの大きなヒントになったり。どの系の授業も無駄な物はひとつもありません。中でも、一番興味深かったのは『ヒューマンエージェントインタラクション』という授業です。ヒューマンは"人"、エージェントは簡単に言うと"ロボット"のこと。ATMのモニタやディスプレイ上で操作案内する擬人化されたキャラクターを見たことはありませんか?これは仮想エージェントと呼ばれ、無味乾燥なインタフェースと人とのコミュニケーションを円滑にするものです。3回生からはじまったゼミでは、この考え方を活かしたシステム開発に取り組んでいます。この研究で私が力を注いでいるのはエージェントと人の"コミュニケーション"のあり方。コンピュータからの一方的な説明に終わるのではなく、より豊かで親しみの持てるコミュニケーションツールにできるのではないかと考えています。

人とコンピュータのコミュニケーションをもっと豊かにしたい

ではコンピュータとの豊かなコミュニケーションとは一体どのようなことなのでしょうか。例えば仮想エージェントが3Dになっているだけで平面的なキャラクターよりは、ずっと親しみやすくなりますよね?さらに操作者の動きに柔軟に反応してアクションを取り、無数のパターンの受け答えができれば…きっと、より便利で機能的なシステムになるはずです。このシステムを実現するには、表情や声色、スピード、感情など複雑なコミュニケーションパターンをいかにエージェントに搭載していくのかなど、クリアすべき課題が山のようにあります。まだまだゴールは見えていませんが一歩ずつ進んでいくつもりです。

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新しい価値を持つメディアに発展させる

デジタルサイネージ(電子看板)をはじめ、ディスプレイやモニタなどさまざまなメディアを使った広告、ビジュアル表現が街中に溢れています。最近では、性別や服装を判別し、対象に合った商品やイメージを表示する広告も登場しています。しかし、それはある一定のパターンでのみ機能する、既存メディアの延長線上にあるといえます。私が取り組む研究が完成すれば、こういった広告やエンターテインメントの分野でも、これまでの価値観を覆すような新しい表現ができるのではないかと考えています。 消費者それぞれの趣向に合わせた商品を能動的に提案できる広告や、コンピュータと密接にコミュニケーションをとりながら楽しむゲームなど…いつか必ず実現させたいと思います。

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広く深く学ぶことができるのが総情

周りからは『メディア系よりはコンピューティング系だね』と言われます(笑)。 私自身、確かに今の研究はコンピューティング系に非常に近いと思います。ですがアプローチやアイデア、発想の元をたどるとメディアに興味を持っていたからこそ見つけたテーマともいえます。もちろん社会情報システム系の授業からヒントを得たこともあります。私のように系の区分を意識せずに学び、幅広く柔軟な発想を身につける。そうして得た知識を自分の研究に活かしていくことができる。総情で学ぶ意味がここにあると、実感しています。 『何かを作りたい』『○○が好き』その強い思いさえあれば、必要な技術や知識はどこまでも深く学んでいくことができます。ほんの小さなきっかけを、大きな目標に発展させていくことができるのです。私の研究は今はじまったばかり、卒業後は大学院へ進みこの取り組みをブラッシュアップしていきたいと考えています。将来は分野を問わず、自分の研究をより多くの場面で活かすことができたら最高ですね。それが企業への就職になるのか、大学での研究になるのか、具体的な形はまだわかりませんが、大きな目標に向かって歩んでいきたいと思っています。

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キャンパスは夢を実現する場所。知識や技術ただのツール、目標がみつかればこわくない。自分を表現できるものを見つけよう!
(2012年度掲載)

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