学部概要

学生の声(Students' VOICE)メディア情報系

学生の声一覧

メディア情報系 4年次生 今井尚人さん(Naoto Imai)

高校時代の恩師の影響で、将来の夢が変わりました。

実は、高2まで将来の夢は警察官だったんです。ずっと剣道を続けていましたので、できれば剣道につながりのある仕事をしたい、じゃ警察だ!と。ですので、高校時代は社会系を含めバランス良く勉強したほうがいいだろうと考えて文系を選択していました。それが、さまざまな先生方と接していくうちに教員志望に変わったんです。特に強い影響を受けたのが剣道部の顧問の先生。剣道で日本一にもなった先生なんですが、それだけじゃなく、誠実さや生き方、自分はこんなふうに人と接することができるんだろうか、と考えさせてくれたすばらしい方です。教員になるために、どんな道を歩んでいけばいいんだろう、文系だけど数学も好き、そんな僕にとって魅力だったのが、文系も理系も社会学系も幅広く勉強できる総合情報学部。とくに「メディア」と「情報」はこれからの重要なキーワード。「ここならできる!」と思ってこの環境を選びました。

教育現場での情報のありかたを変えていきたい。

スタディツアーでオーストラリアに行って、日本とのあまりの差に愕然としました。現地では小学生がJAVAのプログラミングをしてるんです。私でもまだまだ苦労しているのにですよ。オーストラリアでは『情報』教育がとても進んでいるんです。ICTといわれる教育の情報データベースが充実していますし、自分が好きなときに好きなだけ、ハイレベルな教育をパソコンなどを使って学べる環境が整っています。私の高校時代の『情報』の授業は、キーボード入力とエクセル・ワードの勉強でしたから、凄まじい差ですよね。もちろん、エクセル・ワードも大切なんですが、何か根本的に違うんじゃないか、そんな気がします。日本では『情報』教育といえば、パソコン・デジタル…みたいな感じですが、人と話をするコミュニケーションそのものも、情報を扱う行為ですよね。

私たちの日常生活全てが情報に関連しているわけです。今はインターネットがありますから、何でも便利に調べることができますが、書かれていること全てが本当とは限らない、掲載されている写真も、作為的な選別を受けているかもしれない。情報の取捨選択ができる力を身に付けることもとても大切だと感じています。

ICTとは…今までのITにC(Communication)が加わったもので、情報化が進み多くの人々がコンピュータを利用するようになった。そのためコンピュータの技術だけではなく情報を伝える力、コミュニケーション能力も重要となった。それを表現したものがICTである。

.

ICTを活用して、授業に合わせた教材を提供しています。

私が履修していた『マルチメディア教育論』はインターネットなどの情報技術を取り入れることで変わっていく教育現場をリサーチして、その課題について考えていくというもの。
いざ調べていくと、せっかくの技術もまだまだ効果的に使われていることが少ないことが判ってきたんです。それでマルチメディアやICTをどのように活用すれば効果的な授業が可能なのか?これがゼミでの研究テーマになりました。
私の所属しているゼミには『科学教材開発プロジェクト』『情報科サポートプロジェクト』というプロジェクトがあって、実際の現場でICTを実践しています。

科学教材開発プロジェクトは教育現場でのハイビジョン映像教材の定着をはかるために、コンテンツを活用する機会が多い理科のハイビジョン映像教材を提供することを目標として活動していました。
これまで映像教材を活用する授業は、その教材に合わせた実践になってしまいがちでした。このプロジェクトでは、現場の教員の意見を取り入れながらハイビジョン映像の教材を作成することで、ただ高精細な映像を提供するのではなく、教員がより使いやすい形で提供することを目指しています。そのため、制作側と使用側の意思を共有するために、何度も学校に足を運び、現場の教員と直接対話し、絵コンテを完成させ、映像を撮影しました。また、スクールボランティアとして授業支援を行い、映像コンテンツが活用されている授業に参加することで、児童のつまずきを観察し、その知見を教材作成に反映させていきます。さらに作成した映像教材は、小学校教員に評価してもらい、修正をするという手順を踏んでいきます。

生徒自身が「考える」「伝える」体験ができる授業をしたい。

1年生の時も学校インターンシップに参加したり、現場に出るチャンスがあれば可能な限り利用していました。インターンシップやスクールボランティアはサポートするのが目的なので、少し物足りなさを感じていましたが、その点、高校で実際の授業を行う『情報科サポートプロジェクト』は毎回が真剣勝負です。私自身が情報の教員をめざしているので、自分で立てた授業プランに対する生徒の反応を生で感じられることが何よりの勉強になります。
一度、高校で大勢に向けての発表の方法について授業をした時、私自身が今まで温めていた映像やモニタの使い方を実践したことがあったんです。

その授業自体のリアクションも良くて、"伝わった"という手応えを感じましたが、後日生徒のプレゼンテーションを行った時に、何人かの生徒が私の提案を自分の発表に取り入れてくれていたんです。それでより良いプレゼンテーションになっていたのを見たとき、すごく嬉しかったことを覚えています。この授業のように、様々なアクティビティやコミュニケーションを通じて楽しみながら"伝えることってどんなことなんだろう"という問いを生徒たち自身で考えて欲しい。そう思っていますし、それができる環境を授業で実現できたらいいですね。

.

"気付くことができる"教員になりたいです。

"気付くことができる教員"それが私の目標です。大学のプログラムとは別に、母校で剣道部の指導もしています。
そこで生徒たちと接していると、毎日表情が違います。 それはサインなんだと思っているんです。大人から見れば些細なことでも生徒にとっては大きなことかも知れません。
生徒たちとのコミュケーション大切にしていれば、それをよくあることと受け流すことはないはずですし、 教員も"気付いている"というサインを出さなくてはいけないんだと思っています。
いじめの問題など、教育現場のさまざまな問題も、教員が気付くことができれば状況が変わるはずですから。

4年間は長いようで短いですから、早く目標を見つけてください。スタートを早く切れると可能性も広がりますよ。
(2009年度掲載)

このページの先頭へ