ゼミ紹介 Research Focus(青山ゼミ)

aoyama Seminar 「世界の注目を集める、“日本唯一”の活動拠点」青山千彰教授
【青山教授のモットー】「何事にも挑戦してほしい。」 
目標達成に不可欠な、やる気とチャレンジ精神旺盛な人になって欲しいと思います。

全国の大学で唯一、山岳事故の研究をしています。

私の専門は危機情報論です。人間が危機に直面した時にどのような行動をとり、情報をやりとりするのかをテーマにしています。ひとことに危機といっても地震災害や医療事故をはじめ対象範囲は広い。その中で私は日本で唯一、山岳遭難について研究をしています。

ここ最近、山岳事故がニュースになることが多くなりました。現在のデータでは年間1933人が遭難事故を起こしており、その中で270~280人の方が亡くなっています。「山の遭難」というと、多くの方は冬山をイメージするのではないでしょうか。しかし冬山での雪崩や、低体温症が原因になるようなケースは少なく、大多数はヒューマンエラーと呼ばれる人為的なミスが原因で起こります。ヒューマンエラーは油断している時ほど起こりやすく、それは山岳事故を分析してみるとよくわかります。一番多いのは、晴れた日の午後2時前後、場所も緩やかな下り斜面という結果がでています。
日本だけではなく世界中から山岳事故関連のデータを集め、このような事故原因の分析や事故の回避方法について研究を行っています。

まだ解明されていない分野のため、国内外から注目されています。

ゼミでは、事故事例の研究や山岳事故の傾向を分析します。最近では、昨年起きた「トムラウシ山遭難事故」をテーマに取りあげました。私が所属している日本山岳サーチアンドレスキュー研究機構にも同様に「トムラウシ山遭難事故」に関するワーキンググループがあり、学生はオブザーバーとして参加しています。
日本における山岳事故の原因中、最も多いのは「道迷い」です。昨年のデータで言うと約600人が道迷いにより遭難しています。道迷いの原因やメカニズムがわかれば、事故を未然に防ぐことが可能です。私たちのゼミでは道迷いについても研究をしています。
世間の関心が高いテーマを取り扱うことが多く、卒業論文は一生残るものですから、3回生の頃からみっちり取り組んでもらっています。
3回生になりゼミに入るとまず論文の書き方を勉強します。夏ごろには研究テーマを決め、秋以降、4回生の指導を受けながら卒業論文に取りかかります。山岳遭難に関する実験や検証データが少ないため、データの解析や実際に山へ行き実験を行い、検証します。その作業は大変ですが、時にはマスコミや山学会と共同で実験を行うこともあります。こうして1年半かけて作成した卒業論文は、参考文献の少ないこの分野の貴重な資料となり、世界中の人に活用されます。
じっくり卒業論文に取り組むことで、一つのことを成し遂げるタフさも生まれてきますし、問題を解決する能力も養えます。社会に出ても十分通用する自分の強みになると思います。

students' COMMENTS

おしゃべりが好きで学生想いの先生。

青山先生は、気さくでおしゃべりが大好き。最初は怖い先生だなと思っていたんですが、気さくに雑談や世間話をたくさんしてくださいます。海外出張の後は、必ずと言っていいほど、滞在した国の話やそこで食べた料理の話で盛り上がってしまいます。
ある朝、通学中のバスで先生と一緒になった時、先生に就職活動の相談をしたら、その日のゼミの授業が模擬面接に変わったということもありました。面接時の振る舞いや話し方を指導していただき、とても勉強になりました。
日本で唯一の山岳遭難のエキスパートである先生は、とても忙しい方ですが、常に私たちのことを気にかけてくださる学生想いの先生です。

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文系と理系と体育会系が融合したゼミ。

研究テーマは山岳遭難に限定している訳ではなく、心理や法律関連の研究をしている文系的要素、数量やデータを数値化し解析をしている理系的要素、山岳遭難のフィールドワークでは登山が多く体力勝負のところがあるので体育会系の要素もあります。
現在、私たちと同じ研究をしている大学はありません。自分の研究内容が社会の役に立っている、卒業論文が貴重な参考文献になると思うとやりがいがあります。
何か問題が起こっても、先生がフォローしてくださるので安心して研究に打ち込めます。新しいモノが好き、特殊なことをやってみたい、山が好き、大きな成果をあげたいと思っている人におすすめのゼミです。

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