大学に入って、まだ親しい友だちもいない、授業に対しても期待と不安が入り交じっている...入学間もない時期って、みんな同じような不安を感じてるんじゃないでしょうか。導入ゼミでは、まずアイスブレイクから始まります。アイスブレイクとは、まだ緊張してうち解けていない、ちょっと硬い、そんな雰囲気を柔らかくして、みんなが会話をしやすい場を作ること。数人ずつでグループを作り、お互いの共通の話題を探します。例えば、好きな食べ物、好きなアーティスト、好きなブランドは何か。自分のハマっている事を話しながら、お互いの共通項を探していきます。なんてことないんですが、話しをしていくうちにその人の個性が見えてくるんですよね。「あれが好きなんだ、じゃぁ、こんなのも好き?」みたいな感じです。ホント、1回目の授業でみんなが仲良くなりますよ。その過程でコミュニケーションについて学びはじめています。自分の興味のある事柄を話す、これこそ導入ゼミの「発信する技術を学ぶ」授業そのものなんです。
導入ゼミの授業では、この情報を発信する練習を形を、かえて何度も繰り返します。例えば、事前に各自が選んだテーマについて、資料を作成し、全員に発表します。どう説明すれば興味を持ってもらえるのか、どんな資料がわかりやすいのかなど、聞いている人の反応を確かめながら、繰り返し発表を行います。また、調査や資料作成の段階で、大学のデータベースへのアクセス方法、パソコンの使い方からプリントアウトの方法なども学びます。みんなでワイワイガヤガヤ、雰囲気的にはロングホームルームという感じでしょうか。正直、授業がこんなに楽しくていいの?って感じでありながら、情報を発信するための実践的な技術や知識を身につけていきます。
高校までは決められた授業を受けることが大前提ですよね、でも、大学では受ける授業そのものを自分が選んでいきます。何を学びたいのか、どんな知識を得たいのか、自分は何に興味があるのかを改めて考えることも必要になります。そんな大学での心構えや、交流の場を広げる方法を学ぶ、それが導入ゼミなんだと思っています。
実は私、入学式の日、前の席に座っていた人に「あの、友だちになってくれませんか?」って話しかけたんですよ。今でこそ笑い話ですが、当時は大真面目。地方から出てきて友だちもいないし、不安で一杯だったんですよね。
でも、導入ゼミの翌日には、「お昼どうする? 例のメニュー食べる?」、「今日ボーリング行かない?」って、共通の話ができるんですよ。
学生たちは、聞いている人が理解してくれているのか、興味を持ってくれているのかという、目の前で起こる反応を情報として捉え、言葉遣いや資料作りに反映していきます。 発表に至るまでにも、その過程では情報を加工する能力が必要となります。有益な情報を「識別」し、さらに詳しい情報を「収集」、そして内容を「理解」し、自らの言葉に加工して「発信」する。 導入ゼミでは、これらの「情報」そのものを総合的に学び、より実践的な能力を養う基礎を身につけていきます。大学生活だけでなく、社会に出てからも役立つ能力が身に付くはずです。