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SOJOマガジン No.07 国際学会

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SOJOマガジン No.07「国際学会」

国際学会への参加は学部生の自分にとって大きな挑戦でした。

総合情報学部4年生だった昨年の12月、タイで行われたAPMC 2007(2007 Asia-Pacific Microwave Conference)という国際学会で自分の研究する『UWD(ウルトラワイドバンド)無線通信』について発表する機会を得ました。これは、マイクロ波を利用し無線でより円滑にデータを送受信するための技術です。
学会は日本人に限らず学部生が参加すること自体がとても珍しいことです。そんな中、自分が各国の教授や企業関係者が集う学会で発表する。それまで想像もしなかったことでした。ゼミの先生から挑戦してみないかと声を掛けてもらい、事前選考で提出した自分の研究内容が認められ、晴れて参加が決まりました。その時は嬉しさと不安で一杯。本番に向けての準備が始まりました。

世界の研究者の共通言語である英語。より多くの人たちに伝える為にも不可欠。

参加が決まってからは、研究内容を精査することはもちろんのこと、発表・質疑応答に備えて学会への参加経験も豊富で英語も堪能なゼミの先生にみっちりと指導を受け、英語力の強化に勤めました。
『準備は万全』。そんな気持ちでタイに向かったのですが、いざ現地に入ってからは緊張と驚きの連続。事前に配布された資料は電話帳のような厚みで計4冊!世界中の研究者が目を通すであろう資料集に自分の研究が掲載されていることに対する喜び。それと同時にそれだけ多くの研究者が集い発表を行うというそのスケールの大きさに圧倒されていました。

緊張のなか発表は無事終了。他の参加者の積極的なやりとりに刺激を受けました。

自分の発表は、これまで味わったことのない程の緊張感の中はじまりました。日本で準備してきたことを出し切ろう、自分の研究を1人でも多くの人に伝えよう、そのことだけを意識して発表に臨みました。心配だった質疑応答では、想定外の質問に言葉がつまる事もありましたが、同行頂いた先生からも「いい発表だったよ」と声をかけてもらい、自分でも大きな達成感を感じることができました。会場ではほかの研究者の発表を聞く機会もありましたが、驚いたのは日本では考えられない程に積極的な参加者の姿勢。もちろん疑問に思うことは納得するまで追求しますし、逆に提案やアドバイをすることも。日本人の私にとってカルチャーショックでもありましたが、取り入れるべき姿勢だと感じました。
会場を回っていて、少し残念だったのはネイティブのスピードでは、完全には発表内容を理解することができなかったこと。ただ、言葉は判らなくてもグラフや図解を見ると、主旨は理解できますしそれだけで通じ合えると思う瞬間もありました。自分の取り組んでいる『科学』は世界共通の学問で、そのフィールドはボーダレスに世界に繋がっているんだ。そう実感できたことは、これからの研究活動に向けての大きな収穫でした。

自分の研究を実用化したい!その目標に向かって、大学院での研究漬けの日々を送っています。

今回参加した学会でも発表した『無線通信』に興味を持ったのは、関西大学への編入前に自動車について学んでいた短大時代。そこで車間距離システムについて調査したことがきっかけです。元々、研究開発に携わる仕事にあこがれを持っていましたが、当時の目標はメカニックになること。無線通信との出会いを経て関西大学で本格的な研究活動を始めた今の目標は、いつか自分の研究を実用化させることです。最前線で活躍できる研究者になるために、今年の春からは大学院で研究漬けの日々を送っています。
もちろんこれからも機会があれば、学会にも参加していきたいと思っています。次は『もっといいプレゼンテーションをしたい!』これも新たな目標です。
最後に、後輩や受験生に向けて。学会に限らずチャンスがあれば何にでも積極的にトライして欲しいですね。必ず、自分を成長させることのできる発見があると思いますよ。

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(2008年度掲載)

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