関西大学 人間健康学部

講演会・シンポジウム等Seminer

「すこやか教養講座(第4期)」の第1回を開催いたしました。

  • ■日時

 堺キャンパスにてご好評頂いている「すこやか教養講座」も2012年に入って第4期がスタート。
14日(土)に行われた第1回目は、人間健康学部の杉本厚夫教授による「「大阪マラソン」の
人気の謎」と題した講座が行われました。

 3万人の出場募集枠に17万人もの応募が殺到した大阪マラソン。10月に記念すべき第1回目
が華々しく行われたのは記憶に新しいところです。では、なぜこれほどまでにマラソン大会に応
募が殺到したのかというのが今回の講座の最大の謎解きでした。

 1960年代にボウリングなどを中心に娯楽として庶民にスポーツが浸透すると、それは次第に
日本の高度経済成長に台頭されるメディアの発達と共に「見るスポーツ」へと変わっていきまし
た。ところが、70年代の低成長時代に入ると、これまでの高度経済成長のひずみが公害やオ
イルショックなど、これまでになかった生活の危機として表れてきます。モータリゼーションによ
る車社会化もそこに弾みをつけ、人々は徐々に健康意識を確立していきました。そこに競争で
はなく、自分への挑戦、参加しやすいスポーツが生まれたといえます。それが市民マラソンの
誕生です。

 現代では、健康意識に加えて、「Seeing」から「Doing」へとスポーツ・ツーリズムの要素もその
色合いを強めています。ハワイで行われるホノルルマラソン。日本人多数参加しているのはま
さにその証といえるでしょう。

 杉本先生はこれらの要素に加え、大阪ならではの「ぼちぼち」文化、「いちびり」文化、強固な
チャリティ意識、応援文化による孤立感から一体感への変化などの特徴を引き合いに出され、
大阪マラソンの人気を解説されました。関心を持たれている聴講者の皆様もこれまで以上に
「大阪マラソン」に関心が芽生えたはず。是非、次はご自身で走ってみてはいかがでしょうか。

 次回は1月28日(土)に京都大学大学院教育学研究科教授の稲垣恭子先生をお招きして、
「女学生と今」というテーマで近現代の女子学生の変容をお話して頂きます。

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