環境都市工学部

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◆学部長からのメッセージ◆

 関西大学環境都市工学部は、関西大学工学部(1958年設立)の2007年4月からの改組に伴い開設されました。本学部は、「建築学科」、「都市システム工学科」、「エネルギー・環境工学科」の3学科から構成されています。

 環境都市工学部の基本コンセプトは、「まちづくり」です。さらに、『都市産業社会における市民と生産活動が融合する「まち」空間の創生と再生』を基本理念とし、都市が抱える環境問題をはじめ様々な課題の解決に向けて科学技術の力を発揮でき、かつ国際的に活躍できる人材を養成することを目的としています。
今日および将来の「まち」は、都市、環境、建築、資源、エネルギー、化学プロセス、情報などで構築され、これらの技術が協調して快適な人間・社会・産業システムが生まれます。その一方、近代都市においては、過度の都市集中によって人口や交通上の問題が引き起こされ、資源が大量に消費される一方で産業廃棄物が増大してきており、また工場における生産活動は大気や水などの環境汚染をもたらしています。さらに、これらは都市に生活する市民にも影響を及ぼし、心と健康が損なわれる被害が現れるなど、様々な環境問題が顕在化してきています。そもそもこれらの問題は産業社会がもたらしたものであると言えるでしょうが、それらの解決はやはり科学技術に頼らざるを得ません。
そこで、多数の市民が生活する都市において、人間と都市との新たな共生の道を見出すことが強く求められており、いまや、既存の都市空間を人間生活重視の高度な環境に改造し、その中で各種の産業活動を行える持続的で安全・安心かつ快適な調和型社会システムを構築することが未来社会における極めて重要な課題と認識されるようになっています。この産業と都市社会・地球環境との調和のためには、省資源・省エネルギーを図りながら環境汚染を防止し、高効率無公害な生産システムを構築するとともに廃棄物の資源化・リサイクル化を推進しなければなりません。これらの背景のもとで、関西大学環境都市工学部は、「まちづくり」を担う専門技術者を育成します。

 関西大学には、「学の実化(がくのじつげ)」という学是があります。関西大学の第11代学長(1922年~1925年)、総理事 山岡順太郎によって提唱された学是です。これは、大学が研学の府として学問における真理追究にだけ終わるのではなく、社会のあるべき姿を提案し、その必要とするものを提供することによって、学理と産業界、官界との橋渡しをするという姿、すなわち、「学理と実際との調和」を求める考え方です。大学が、その成果を実社会へ還元すること、逆に、社会におけるニーズを吸収し、よりよい社会を目指した学問のあり方を追求することを学園に求めたもので、いまで言う、産学連携、産官学連携の基本となる考え方であると理解できます。まさに、現在の大学が目指すべきあり方を示しているのではないでしょうか。このような理念のもと、関西大学環境都市工学部は、新たな「まち」の創出を目指して、発展していきます。

環境都市工学部 学部長 小田 廣和

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