KANSAI UNIVERSITY

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学びのスタイル

京都の良質な水を守るため、コンピュータ解析を
通じて地下水の流れを解き明かしています。
理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻
博士課程前期課程 1年次生
小谷 修平 
研究テーマ:京都の伝統文化を支える地下水流動に関する研究

京都・伏見の地で450年続く伝統の酒造りは、鉄、マンガンを含まない良質の地下水によって支えられています。地盤環境工学研究室では以前から、伏見の酒造組合や京都市と連携し、貴重な水が汚染されたり枯渇することがないように、科学技術的調査を行っています。そのなかでわたしが取り組んでいる研究テーマは、京都の地下水がどのように流れているかを調べること。地下を水が流れる様子を「水は高いところから低いところに向かって流れる」「河川の水位が地下水の水位と連動している」という事実を出発点に推測していきます。そして、コンピュータを使って、地図上で把握した水流の向きや、実地調査による地下水位、地盤構造のデータなどを入力し、地下水の流れを解析します。解析の精度をできるだけ高め、誤差を是正していくことがこれからの目標です。また、仮想の汚染源を設定し、汚染物質がその地点から人為的に流入した場合、時間の経過にしたがってどのような濃度分布を示すのかをシミュレーションする研究も行っています。これによって汚染の広がり方を推測でき、万一の時にも迅速に対応することができると考えられます。わたしは、水に対する人々の意識を高めることが汚染の発生防止につながるとの考えから、伏見地区の地下水のくみ上げ場において、住民へのアンケート調査も行いました。その回答から、地下水に対する人々の思いの深さに改めて気付き、一層のやりがいをもって研究に取り組んでいます。


都市システム工学科
楠見 晴重 教授

生命の源である「水」の研究は、地域的にも
地球規模でも大変重要な分野です。

関西大学では、地下水を生活用水として使用している京都府城陽市、八幡市で水位の常時観測を行い、地盤沈下や汚染に備え、上水道を一元管理しています。水環境の研究は、日本でも注目されていますが、海外では暮らしの水を地下水に頼るところが多く、水資源の枯渇が大きな問題になっています。地下水を研究する学生たちには、世界の水環境にも関心を向けて勉強してほしいですね。

※この学びのスタイルは2011年度のものです。

より多種多様な生物が生息できる
護岸の環境づくりをめざしています。
理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
吉木 昌弘
研究テーマ:エコ護岸の海域環境保全機能に関する研究

海沿いの街や港湾施設を高潮や津波などから守るため、海岸に護岸工事を施すことがあります。船の着岸に適するよう、従来の護岸は水面に垂直に設けられていましたが、これでは、海辺で生活する生物にとってあまり快適な環境とはいえません。そこで護岸の一部に傾斜をつけ、貝類、甲殻類などが巣を作りやすいように凹凸をつける「エコ護岸」という試みが始まっています。私の研究テーマは、エコ護岸となっている傾斜地の水質を改善し、より多様な生物がすめる環境をつくることです。まず、汚染物質を吸着する鉱石として、熱帯魚の水槽浄化などにも使われている「ゼオライト」に注目し、大阪湾内でエコ護岸が設置されている場所にまきました。以来、定期的に現地に赴いて、護岸にどんな生物が付着しているかを確かめるとともに、海水を採取して持ち帰り、研究室の実験装置を使って水質改善効果をチェックしています。結論を出すまでには時間がかかる研究ですが、自分で立てた研究計画に沿って着実に進めています。最近「生物多様性」という言葉がよく聞かれますが、1種類の貝が数多く生息しているより、多種類の貝が生きていける海の方が豊かな環境だといえます。だから、護岸に今まで見たことがない貝が付着しているのを見つけると嬉しくなります。海辺の環境回復に、土木工学、生物学などの知識を生かして貢献したいですね。


都市システム工学科
島田 広昭 准教授

沿岸域の安全・安心を確保しながら
豊かな環境をつくっていきたいですね。

研究室では、海岸での減災と美しい沿岸域の創造・継承というテーマに取り組んでいます。近年、環境への関心が深まり、人命重視・安全の見地から工事が行われてきた護岸や河川ダムなどに対する考え方も変わってきました。海辺の生態系は、川や海、陸地の環境とも大きく関わっています。安心・安全と環境保護の両立をめざして研究を進めることが大事だと考えています。

※この学びのスタイルは2010年度のものです。

使い道がなかった「廃耐火レンガ」から、
新しいコンクリート材料を創生。
理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻
博士課程前期課程 1年次生
永井 陽
研究テーマ:廃耐火レンガ細骨材が及ぼすコンクリートの強度及び中性化への影響

水とセメントに、砂・砂利などの骨材を加えて作るコンクリートは、使用材料や配合によって性質が異なります。私は、「廃耐火レンガ」を骨材に加えたコンクリートの性質を調べています。
溶鉱炉の内側に配置される耐火レンガは、熱や摩耗、疲労で損傷し、年に2、3回は入れ替えられています。こうして生まれる廃耐火レンガは、年間2000tにおよぶと推定され、これをコンクリート材料として活用できれば、産業廃棄物量の軽減に貢献するばかりか、良質な天然砂の供給が減少する中で、天然骨材の温存にもつながります。実験では、砂の10〜30%を廃耐火レンガの破砕材に置き換えたコンクリートを作り、置換率を変えて強度を測定しました。また、二酸化炭素による「中性化」(強アルカリ性であるコンクリートが中性となり、鉄筋コンクリート中の鉄筋がもろくなる現象)の進行具合についても、実験を行いました。結果としては、廃耐火レンガ破砕材を10%含むコンクリートが、最も強度が高まり、中性化の進行も少ないことがわかりました。また、この骨材には膨張する特性があり、膨張をうまく利用できれば、コンクリートに新たな付加価値を付与することにも役立ちそうです。材料系の研究は、研究の成果がわかりやすい点が大きな魅力です。また何といっても、コンクリートを自作し、実験で確かめていけるのがおもしろいですね。


都市システム工学科
鶴田 浩章 准教授

現代社会に求められる
コンクリートの技術を追究しています。

研究室のテーマは「資源循環型社会をめざした廃棄物の有効利用」「構造物を長期にわたって効率的に維持管理する技術の開発」「材料や配合の変化が及ぼす、コンクリートの品質に対する影響の把握」の3つ。永井君の研究は、そのすべてに関わっています。廃耐火レンガの膨張する性質をうまく生かして研究を発展させてほしいですね。

※この学びのスタイルは2009年度のものです。

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