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学びのスタイル

CO2排出削減につながるバイオエタノール
混合ガソリンの普及をめざし、材料の研究に挑む。
理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
福島 清美
研究テーマ:溶解度パラメータを用いたバイオエタノール混合ガソリンの樹脂に対する耐性評価

ガソリンの代替燃料として、バイオエタノールへの関心が高まっています。ガソリンにこれを混合して使用すると、CO2の排出量が減るからです。将来的には燃料電池が普及する日が来ると考えられますが、現時点でEV車へと一挙に切り替えることは難しいため、混合ガソリンの使用は、現実的で有効な温暖化対策となります。ただしガソリンスタンドで売る際には、給油装置で使われるキャップなどの部品を混合ガソリンに耐えられる材料に交換する必要があります。そのためわたしは、市販の各種樹脂のうち、混合ガソリンに溶けない最適材料は何かをつきとめる研究を、大阪府と共同で進めています。
ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す指標として、溶解度パラメータ(SP値)があります。この指標の優れている点は、分子構造がわかれば、実験をしなくても値が計算で出せる点。しかしガソリンは天然物であり分子の形がわからないので、その評価は容易ではありません。そこでわたしは、統計的に値を推測し、計算する方法をコンピュータ上で開発。同時に、その計算方法が妥当であるかどうかを、実証実験で確かめています。幸い給油装置の部品として利用できそうな材料が見つかり始め、手ごたえを感じています。
大学院修了後も、環境の改善に貢献できる仕事に携わっていきたいと思っています。研究室で身につけた知識を生かせられたら最高です。


エネルギー・環境工学科
山本 秀樹 教授

廃棄物からの原料再生を通じて
社会に貢献する研究室です。

研究室では資源再生をテーマに10以上の研究が同時進行しています。そのなかには、温暖化ガスであるフロンを原料のフッ素にもどし、資源として再利用を図る研究も。すべての研究が社会とのつながりをもっている点が、研究室の強みです。福島さんの研究は、バイオエタノール混合ガソリン実用化に向けての重要なデータとなります。評価しにくいものを評価するために欠かせない幅広い知識をもっている学生ですね。

※この学びのスタイルは2011年度のものです。

使用済みリチウム電池を回収・再資源化する
方法の確立をめざして研究を進めています。
理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
大村 友希
研究テーマ:リチウムイオン電池からのレアメタルの分離・回収

リチウムイオン電池は、携帯電話やパソコンにも使われている身近な存在。ハイブリッド車に用いられるニッケル水素電池よりも軽く、容量が大きく、電圧を上げられるという性質があるため、電気自動車のバッテリーとしても注目されています。リチウムイオン電池の材料に使われるリチウムや、コバルト、ニッケルなどは貴重な資源で、世界各国が電気自動車の開発に力を入れるほど、その確保は困難になります。しかし、都市でゴミとして廃棄される家電製品などにはこうしたレアメタルが大量に含まれているので、この「宝の山(都市鉱山)」から金属を分離・回収する手法が求められています。そこで、焼いた電池を粉砕して粒に含まれる金属を酸性の溶液中に溶かし出し、「水酸化物沈殿法」「溶媒抽出法」などで金属の酸化物を分離するという方法を考案しました。分離のプロセスに正解はないので、これまでに学んだ知識と経験に基づいて実験を行い、できるだけ効率的に処理できる方法を模索しています。小型装置を用い、実証試験を行いながら、温度やpHなどの条件を決定していくのですが、条件設定がほんの少し違うと結果が大きく変わってしまう点が難しく、またおもしろいところです。研究が進むにつれて、最適な処理法の実現へと一歩ずつ近づいていると実感しており、このプロセスが早く実用化され、廃棄物のリサイクルを進めることができたらと思います。


エネルギー・環境工学科
芝田 隼次 教授

処理プロセスの設計から提案まで
社会とつながる技術を実践しています。

分離技術を生かし、さまざまな廃棄物のリサイクルに取り組んでいます。基礎研究と応用研究を両立させ、これまでにレアメタルの回収、土壌汚染の解決など、社会貢献につながる成果を数多く挙げてきました。大村さんの研究は、日本のリサイクルの未来を照らすものとして期待を寄せています。

※この学びのスタイルは2010年度のものです。

食品廃棄物を「亜臨界水」を使って処理し、
有用物質を作り出すおもしろさを体感しています。
工学研究科 ライフ・マテリアルデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
久野 吉弘
研究テーマ:食品廃棄物の亜臨界水処理による有用物質への変換

おからと酒粕という2種類の食品廃棄物を、水を臨界点に近い状態にした「亜臨界水」で加水分解し、生活に有用な物質を精製する研究を行っています。以前からエネルギー問題や、食品廃棄による環境汚染の問題に興味があったことから、この研究テーマを選びました。実験は「材料を反応器に密閉して、電気炉で加熱する」方法で進めています。単純そうにみえて、安定した結果を得るのはなかなか難しいのです。たとえば150℃という設定温度にするため、1分10秒かかる時もあれば、1分よりずっと短い時もあるなど、反応条件が不均一になりがちです。現在行っている「回分操作」(1回ずつ反応させる)では加熱途中でさまざまな反応が起こり反応の制御が難しいため、「連続操作」(反応媒体を連続的に送入する)に変更しようと考えています。そうすれば、目的の反応に対して反応時間と温度・圧力を最適に保つことができるからです。このように実験を進めるには苦労もありますが、多くの有用成分が製造できたときは喜びを感じます。食品廃棄物の亜臨界加水分解から得られる高濃度の糖を原料として、エタノール(バイオ燃料)、乳酸(生分解性プラスチック原料)などを発酵法によって製造でき、また乳酸などの有機酸を亜臨界加水分解によって直接製造できるのもおもしろいところです。捨てられるバイオマスから新しく役に立つものが製造できて、環境保全につながる点がうれしいですね。


エネルギー・環境工学科
室山 勝彦 教授

食品のトータル利用とともに、
さまざまな応用分野が開けます。

豆腐や酒は現在工場で生産され、その過程でできたおからや酒粕は、食品廃棄物として捨てられています。研究室では、廃棄されている部分も含めて食品をトータルに有効利用できないかと考え、種々の研究に取り組んでいます。今後は、バイオマスから精製した成分を活用して機能性食品の開発につなげるなど、さまざまな応用への可能性がある分野です。

※この学びのスタイルは2009年度のものです。

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