建築学科 河井康人教授ならびに豊田政弘准教授が一般社団法人日本音響学会において佐藤論文賞を受賞
氏名
河井 康人、豊田 政弘
所属
環境都市工学部 建築学科
受賞年日
2015年03月17日
大会・団体名
一般社団法人 日本音響学会
受賞名
佐藤論文賞
研究テーマ等
Development of edge-effect suppression barriers
賞の概要
道路交通等による騒音に対し、環境基準等を満たすためにはしばしば高い遮音壁が必要となるが、高い遮音壁は、日照、コスト、耐風圧の面で難点があり、また威圧感を感じさせる。これまでにも遮音壁の高さを抑える目的で数多くの先端設置の減音装置が開発されてきたが、性能は満足できるものではなかった。境界積分方程式を用いた理論解析により、著者らがエッジ効果と名付けた、遮音壁先端近傍に生じる非常に大きな粒子速度の領域の存在を見出すとともに、回折音場は遮音壁上方へ延長した仮想面上の粒子速度分布の寄与となることから、エッジ効果を適切に抑制すれば、大きな騒音低減効果が得られることを理論的に世界で最初に導いた。上記エッジ効果の抑制条件を満たすには先端に向かって抵抗が次第に小さくなるようなグラデーション特性をもつ適切な物理特性の薄い吸音層を設置すればよく、軽量、スリムであるにも拘らず、条件にもよるが10 dB程度低減(音のエネルギーで1/10に)させる非常に高性能な減音装置に関する理論的な可能性を示すとともに、実験によってもその性能を確認した。
(一般社団法人日本音響学会 会員数 約4‚500名)