

これまで私達は、堤防やダムなどの社会基盤施設をより強固にすることで、自然の脅威から人々の暮らしを守ろうとしてきました。しかし近年、豪雨や地震などの災害が繰り返されるなかで、避難情報、安否情報を正確かつ迅速に伝えることの重要性が認識されつつあります。今や日本全国で1億台も使われているケータイは、都市の防災をささえる情報基盤として不可欠なものになっています。昨年からは緊急地震速報や避難情報を、特定地域内のケータイへ一斉発信するサービスがスタート。また、ケータイのワンセグ機能を利用して、防災情報を配信することも検討されています。しかし、ケータイにも弱点はあります。大規模災害時には、被災地への通信が通常時の50倍にも達する場合がありますが、通信の過度の集中はシステムダウンを招きます。また設備そのものが無傷でも、停電すればケータイの中継局は機能しません。社会基盤にしろ情報基盤にしろ、自然の脅威から見ると限界があることをきちんと認識する必要があります。
技術をしっかりと身につけることはもちろん大事ですが、防災の基本は個々の人間とそのネットワークです。人々が安心して快適に過ごせる「まち」空間を幅広い視野からつくりあげること、それが環境都市工学部の学びの原点です。建築学科では防災に優れた建造物の構造研究、そして伝統的な建造物を災害から守る方法を考えます。都市システム工学科では、被害を最小限に食い止める都市のあり方を学ぶとともに、災害時の情報提供についても考えます。エネルギー・環境工学科では、クリーンなエネルギーの開発や廃棄物の削減により、災害の原因となる温暖化の防止に努めます。