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相変態論 (2単位) (相変態論) (4単位) |
竹下 博之 |
3年 春学期・前期 |
学習・教育目標 :E,B |
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講義概要 |
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物質の相変態には固体と液体との間の変態(たとえば氷から水へ)、液体と気体の間の変態(たとえば水から水蒸気へ)などの身近な例があるが、固体の中においても相変態が起きる。工業用材料として用いられている金属、合金、セラミックスなどは固体状態では、それらの組成、温度に依存して種々の相(相間では結晶構造、磁性状態、電気的状態が異なる)が現れる。このような固体の中での相変態(固相間相変態と言う)は多種、多様で構造材料の強化に利用されているものも多い。また、固相間相変態に伴う種々の特性の変化は機能性材料としても広く利用されている。 本講義では合金固相の状態図について復習したのち、構造材料として重要な役割を担い、広く利用されている鋼における諸種の相変態(拡散変態、無拡散変態)について学習する。特に相変態に伴う構造・組織の変化と鋼の機械特性との関係について理解し、鋼における熱処理法について学ぶための基礎を固める。ついで原子間相互作用に基づいた取り扱いで、相分離、規則−不規則変態などの現象について学習する。鋼以外の金属・合金における相変態として、Ti-Ni合金などで起きる熱弾性型マルテンサイト変態と形状記憶効果、超弾性などの機能性との関係について、さらにチタン酸バリウムなどにおける常誘電−強誘電変態についても学習し、諸種の固相間変態を総合的に考察するための基礎とする。これらの学習により、数学、自然科学、情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力を修得するとともに、材料の構造・性質に関する基本を理解し、それらの知識を問題解決に応用できる能力を養うことができる。 |
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講義計画 |
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I.
状態図から見た相変態 l
合金の2元系平衡状態図、鉄−炭素二元系状態図 l
パ−ライト変態(オ−ステナイト状態から徐冷した炭素鋼の構造・組織と炭素濃度の関係、パ−ライトの機械的性質、亜共析鋼、過共析鋼の機械特性) l
オ−ステナイトの等温変態図(平衡状態図との対比)、オ−ステナイトの連続冷却変態図(平衡状態図、等温変態図との対比、実用性) II.
原子の拡散・結晶構造から見た相変態 l
結晶の構造、拡散変態と無拡散変態、原子の拡散に影響を及ぼす因子と相変態との関係 l
ベイナイト変態(上部ベイナイト、下部ベイナイト、マルテンサイトとの関係、剪断型の格子変形と炭化物の析出) l
マルテンサイト変態(方位関係、晶癖面、形状変化、ベイン変形、炭素原子の位置マルテンサイトの硬さと炭素濃度の関係) l
鋼の熱処理(焼き入れ・焼き戻しの物理的意味、炭素原子の挙動、機械特性との関係) l
変態中の界面の動き、自己調整構造 III.
エネルギーから見た相変態 l
固溶体と2相分離 l
規則−不規則変態(Bragg-Williamsの理論) l
核生成・成長による析出とスピノダル分解 IV.
物性から見た相変態 l
熱弾性型マルテンサイト変態と非熱弾性型マルテンサイト変態 l
形状記憶効果・超弾性、マルテンサイト相の吸振性 l
常誘電−強誘電変態 |
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教科書 |
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現在、1冊の本で上記内容を網羅するものが市販されていないため、決められた教科書は使用しない。 |
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参考書 |
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「機械材料学」須藤一 著 コロナ社 「鉄鋼の相変態―マルテンサイト変態を中心として−」 クルジュモフ他著、西山善次監修、江南和幸訳 アグネ技術センタ− 「金属物理学序論」幸田成康著 コロナ社 「物性物理学」都築卓司著 森北出版 |
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成績評価 |
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期末試験により評価する。材料技術者として本講義で学んだ知識を応用する必要性が生じるであろうと考えられることから、学んだことをよく理解し、未知の問題に対して応用ができる素地を身につけたかどうかを試験では重視する。 出欠はとらない。しかし、講義に出席し、よく聴講し、自身で考え、よく理解することが大学における勉学の基本である。それ故、内容をよく理解するために講義に出席することを推奨する。ただし、出席していても、居眠りなどして講義を聴かなかったり、復習をしなかったりすれば、試験でよい点は取れない。 |
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備考 |
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本講義をよく理解するためには、一年次配当の電磁気学A、二年次配当の材料組織学で学んだ知識を必要とする。従って、講義を受けるにあたり、上記二科目の内容をよく復習しておくことが必要である。また、本講義で学習したことは三年次後期配当の熱処理論における講義内容を理解するための基礎となる。 |
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