学部概要

専修紹介

経済学は、身のまわりの日常から地球環境に至るまで、あらゆるテーマを対象とする学問です。では、経済学は現代社会が抱えるいくつもの諸問題をどのようにとらえ、問題の把握や解決に向けて何ができるのでしょう。ここでは経済学部の7専修の教員が各専修に特徴的な研究対象やものの見方・考え方などについて解説します。
  • 経済理論専修

    市場の論理から社会を知る

    我々の生活はさまざまな種類の財・サービスから成り立っています。一日の生活を振り返ってみましょう。朝、起床する。洗面台で歯を磨き、顔を洗う。歯ブラシ、歯磨き粉、タオルなどが必要です。朝ご飯もそうです。さまざまな食材が必要です。通学電車に乗り、学校に行く。通学というサービスが必要です。これ以外にも必要なものはたくさんありますね。
    一人の人間の一日の生活だけをとっても、かなりの数の財・サービスが必要です。この世界すべての人びとが必要とする財・サービスの種類と量になれば、それは天文学的な数字となるでしょう。我々の社会は、これらを過不足なく生産し、人びとに供給しています。考えてみれば、これは不思議なことです。誰がどのような財・サービスをどれだけ欲しているか?このことを社会は知っているわけではありません。しかし社会全体としては生産されるべき財・サービスはすべて生産され、人びとの生活に供されています。これはいったいどのような仕組みで可能なのでしょう?
    答えは市場(しじょう)です。我々の社会では市場がこの問題を解決しているのです。市場の働きを詳しく分析すること、これは経済学の中心的主題の一つですが、この主題を扱うのがミクロ経済学です。

    長久 良一 教授

  • 金融・会計専修

    援助は役に立っているか?

    発展途上国にとって日本の援助は重要な開発資金となっています。援助が実際に役立っているかについて関心がある人も多いのではないでしょうか。近年、政策は証拠に基づいて検討されることが多く、援助が有効かについても活発に議論されています。
    10年ほど前に世界銀行の研究者が「良い政策の国でのみ援助は効果的である」という証拠を示し、その研究は世界の援助政策にもおおきな影響を与えました。ところが、多くの研究者が検討したところ、その証拠は正しくないことが後に示されました。このように、ある研究成果がその後の研究で否定されることはしばしばあります。
    どのようなときに援助は効果的なのかについては未だに結論が出ていません。結論が出ない、役に立つ成果が得られない研究は無意味だと思う人もいるかもしれません。しかし、それは誤解です。わからないことがあるからこそ研究が必要となります。教科書の知識は先人たちの努力と長い議論の結果です。大学で学ぶことは、次世代に伝えるべき新たな知識の創造に参加することなのです。

    春日 秀文 教授

  • 公共経済専修

    公共経済専修の研究対象

    公共経済専修が研究対象としているのは、政府の活動です。アダム・スミスに代表される古典派経済学では、経済は市場に任せておけば上手く機能するとされ、政府の役割は国防、警察など最小限に限定すべきだとされていました。しかし、現代の国家は、道路や橋などの社会資本、年金、医療、教育など民間でも供給可能なさまざまなサービスも提供しています。これらの活動に必要な資金は、租税、社会保険料、公債などで調達されています。
    公共経済専修では、これらの政府活動を、1年次で習ったミクロ経済学、マクロ経済学を使って分析することが求められます。政府活動が経済成長率に与えた影響をみるためには、統計データを駆使した計量分析も必要です。所得税や消費税の仕組み、年金制度の仕組みなどを学ぶことも重要です。
    これらの制度を学ぶことは、公務員をめざす人は、もちろんのこと、社会生活を営んでいくうえで大変有益です。具体的な講義科目としては、社会保障論、経済と法、環境経済学、財政学、地方財政論、公共経済学、人口学、経済政策が用意されています。

    橋本 恭之 教授

  • 歴史・社会専修

    アジア経済のいまを歴史的に考えてみる

    世界金融危機以後、欧米諸国の経済が失速し、日本経済もさらなる停滞を余儀なくされているなか、インドや中国といった新興国の台頭は今や世界の注目を集めています。しかし、インドや中国が世界経済において重要な地位を占めるようになったのは、20世紀後半が歴史上初めてというわけではありません 。
    ケネス・ポメランツをはじめとする「カリフォルニア学派」の研究者たちにより提起されたGreat Divergenceに関するさまざまな議論によれば、18世紀末の段階で世界のGDPの半分以上はアジアで作り出されており、インドや中国はおおきな割合を占めていました。
    これらアジア諸国で工業化を達成した国は、いずれの場合も人口圧力を内包した農業中心の経済を端緒としている点で共通点がありますが、その工業化のパターンや世界経済との結びつき、そしてどの産業に比較優位をもっているかなど、それぞれ初期条件におおきな差異が存在します。
    ゆえに本当の意味でアジア諸国のいまを理解するためには、現状分析だけではなく、歴史的な視座から考えてみなければ、その本質に迫れないのではないでしょうか。

    西村 雄志 教授

  • 産業・企業経済専修

    食の安全・安心の確保は、どうすれば可能か?

    私たちの食べている物の大半は、輸入に依存しています。日本の食料自給率は約40%です。これに伴って、輸入農産物の安全性問題が頻発しています。2000年以降でも、中国産冷凍ホウレンソウ残留農薬問題、アメリカでのBSE感染牛発見、高病原性鳥インフルエンザ発生、中国製冷凍ギョーザ中毒事件、豚インフルエンザ発生、口蹄疫発生など多数の食の安全・安心問題を引き起こしており、消費者を不安に陥れています。
    日本国内においては、O-157、放射能汚染問題など、食の安全・安心に関わる深刻な問題があります。それに加えて、食品企業による不適切な食品製造や不当な食品表示偽装事件があり、消費者の信頼を裏切っています。
    こうした問題を解決し、食の安全・安心を確保するためには、食の生産から消費までの全体像を、「経済学的」に理解することが必要となっています。食糧生産の重要性を認識し、生産者と消費者の連携による、国内生産を基本とした食生活の確立が求められています。

    樫原 正澄 教授

  • 国際経済専修

    世界のさまざまな国の経済を学び、そのつながりを意識することで、自分自身を再発見し、未来へ向かう知恵を身につける

    世界のさまざまな国についてあなたはどれくらい知っていますか。知っているようなつもりでいても、例えば人びとの暮らしについて具体的に想像することは難しいのではないでしょうか。
    日々の生活の中で少し注意してみると、私たちの暮らしがさまざまな物を通じて世界の国々とつながっていることに気が付きます。例えば、日々消費しているさまざまな商品について、製造過程や原材料に至るまですべてが日本製であることは、あり得ません。電気やガスなどの暮らしに必要なエネルギーも、ほかの国々で産出される天然資源などを利用しなければ十分な供給は不可能になるでしょう。そして、これらの物質的なつながりの向こう側にはさまざまな国のさまざまな人びとの暮らしがあるのです。
    一方で、モノやお金の流れがグローバル化し、また、情報化によって瞬時に世界中のどこかにいる誰かとつながることができるような時代になった今日でも、自然環境や資源賦存など、国境によって分けられた人びとの間には厳然たる差異や距離だけではない垣根が存在しています。
    このため、国際経済専修では、経済学を学んで全体的な世界経済の仕組みを理解するだけでなく、アジアやヨーロッパなど、特定の地域に関する研究を通じて、世界の動きをより具体的にとらえ、将来を見据える目を養うことを目標にしています。

    北波 道子 教授

  • 統計・情報処理専修

    統計の意義と役割

    統計というと、数学だ、難解だ、縁がないという印象をもつ学生が多いと思います。実際に、高校では数学の一部ですから、文系学生がそのような印象をもつのもやむを得ない面はあるでしょう。しかし世の中は統計で溢れていますし、多くの場面で統計をどう使いこなすかが成功の鍵になることも多いのです。既に90年代初頭に、ロバート・ライシュは知識社会では「シンボリック・アナリスト」が主役となることを説いています。
    ここでシンボルとはデータ、言語、映像、音声等であり、この操作によって問題を発見し、必要な人材や資材、情報によって問題を解決してゆくのが現代。統計はその最も有力なツールとなるのです。
    社会科学の女王と言われてきた経済学は、その数量的な性格によってもともと統計とも関連性が深かったのですが、最近は経営や会計、社会学などのほかの多くの学問分野にも統計は積極的に取り入れられています。例えば心理学を学ぶには、統計学が必須です。
    印象で毛嫌いしているだけでは何も始まりません。統計・情報処理専修では、消費や経営、交通、環境等を題材に統計をやさしく学びます。

    良永 康平 教授

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