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学部概要

学部長・研究科長挨拶

「学の実化(じつげ)」の精神を実践

 関西大学商学部は、1906年、前身である関西法律学校の商業学科としてスタートし、その後、100年あまり多くの卒業生を実社会に輩出してきました。商学部の特徴は、関西大学の教育理念である「学の実化(じつげ)」の精神を実践しているところにあります。学の実化とは聞きなれない言葉でしょうが、学問と実際との調和を図り、国際的な精神を養って現実に根ざした学問を究めることを指します。たとえば、企業が直面している課題や、経済や産業で起こっている問題について自ら仮説を立て、それを科学的に検証し、解決に向けての道筋を明らかにするということです。それに関して、16世紀のイギリスの哲学者フランシス・ベーコンは次のあまりに有名な言葉を著しています。

―人間の知識と力は一致するー

『ノヴム・オルガヌム―新機関』

 まず知識を用いて問題の原因を知り、その上で行動して行くことで望ましい結果を導くことができると説いています。グローバル化やIT化が進展している現代社会は複雑を極め、どこに問題があるのか、その所在さえ明確でない場合が多くあります。そうした場面でとまどうことなく対応するには、論理的な思考力と問題解決への実行力が求められます。そのため人類が蓄積してきた知識を学ぶことは重要です。
 ただし、それだけで十分とは言えません。わが国は他の先進国と比べても既に成熟した社会になっており、グローバル化やICT(情報コミュニケーション技術)の進展もあり、従来の知識や技術の模倣だけでは幸福な社会を築けなくなっているからです。これからのわが国の企業や国民が豊かに成長するには、既存の知識の習得だけでなく新しい知識や技術の創造が求められるでしょう。そのためには個々人の知力を高め、それを実化(じつげ)することが大切になっています。
 商学部は、このような複雑な時代を生き抜くための学問として「商学」を位置付け、個性あふれるカリキュラムを備えています。特に、ALSP(会計連携特別プログラム)BLSP(ビジネスリーダー特別プログラム)BestA(海外ビジネス英語プログラム)、、DSIプログラム(プロセスイノベーター育成プログラムの開発) 、CORES(ビジネスプラン教育プログラム)などは、より実践的に、そしてより高度に商学を学ぶための独自のプログラムです。こうしたプログラムは語学教育や情報処理教育の徹底、少人数教育や演習の充実、1年生からの必修科目を通じた専門教育の開始といった従来からの商学部での特色ある教育実践に、その基礎を置いています。

学部の構成と学習内容

 商学部は、激動する経済環境の中にあって経営に対する柔軟な思考力や広い視野、鋭い洞察力に加えて、企業倫理と社会的責任に対する深い認識をも併せ持つ人材を育てることを目標としています。そこで、商学部は、「品格ある柔軟なビジネスリーダーの育成」を学部の教育理念として掲げ、それを実現すべく、「流通」、「ファイナンス」、「国際ビジネス」、「マネジメント」、「会計」の5専修を設け、多様な専門分野について学習できるようにカリキュラムを編成しています。
 学生のみなさんは、たとえば企業と経済・産業との関係を広い視点から分析することもできますし、これからの企業経営を身につけるために、経営組織、経営戦略、マーケティング、ビジネス・エシックス、会計、金融などに重きを置きつつ考察することもできます。また、演習方式のゼミナール等さまざまな形で個別指導を受ける機会も開かれています。このように、学生のみなさんが自らの関心や問題意識に応じて、上記の5専修からいずれか一つを選択し、その専修分野に軸足を置きながら専門的知識や能力を身につけることができるようにカリキュラムを編成しています。
 また、学習の場はなにも教室の中だけにはとどまりません。上で紹介したBLSPでは、米国のシアトルに出向いて、ワシントン大学の先生や学生たちばかりでなく、地元企業(スターバックス社やマイクロソフト社)の人たちの前でも英語によるプレゼンテーションを行ったり、あるいはまたBestAでは、英国のヨーク市を訪れ、ヨーク大学において本学部生向けに特別に用意された授業を受けると共に、トラベルプロジェクト等も行ったりします。変化の激しい経済・経営環境の下で、グローバルなビジネスリーダーとして活躍していくためには、実践的なビジネス英語力が不可欠であるとの認識のもとで、こうしたプログラムを提供しています。

大学院の構成と学習内容

 大学院商学研究科は、「戦略マネジメント系」、「流通・国際ビジネス系」、「ファイナンス・会計系」という三つの系から構成されています。カリキュラムは、理論、実証、実践の間のバランスを配慮してデザインされており、理論面と実証面での教育・研究を担う教員に加えて、実践面における教育の担当者として実務家を招き、授業を提供することで、学生諸君は特定の分野に偏ることなく、多様な学問分野の知識や方法論、視点を学習することができるようになっています。
 このような方針に基づいて、公認会計士や税理士といった高度専門職業人や研究者を養成することを目的としています。以上の説明からも明らかなように、大学院での教育・研究は学部教育と密接な関係を保ちながら進められています。
 特に、商学部・商学研究科5年一貫教育プログラムは、学部を3年で早期卒業して大学院に進学することができるので、通常であれば6年かかるところを5年で、学部卒業に加えて大学院前期課程修了も可能になっています。
 また、2015年度入学生からデータサイエンティスト育成プログラム(略称 DSプログラム)を導入し、ビッグデータを活用して新たな価値を創出するスペシャリストを育成を開始します。

学部長・研究科長 髙屋定美

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