カリキュラム

教員エッセイ

第28回つながりを感じるゼミ発表会

商学部 准教授  長谷川 伸(国際ビジネス専修)

 私のゼミでは、1年間のゼミの集大成を発表する2・3・4年次生合同の研究発表会を毎年12月に開催している。この発表会に向けてゼミ生たちは二つの仕事をする。

 ひとつは研究活動すなわち、2年次生は関西大学ビジネスプランコンペティション(KUBIC)に応募するビジネスプランを、3年次生は夏休みの海外研修の成果を、4年次生は卒論を発表する準備である。
 もうひとつの仕事は、発表会の企画運営である。私のゼミは教員の教育的配慮のもとに、ゼミ生が主体的に企画・実施・伝承に参画する授業形式(学生参画型)なので、発表会も企画立案段階から(発表会の目標設定や日時・会場の選定を含めて)学生が行う。学生が文字通り「主人公」としてとりくむのである。

 この二つの仕事を同時並行で進めることは容易ではない。時には感情のぶつかりあいもある。
 濃密な人間関係を築きながら、困難な課題をチームとして乗り越える。それはまさに「今ここに自分が仲間と生きていること」を実感する瞬間であり、その過程で自らの進むべき道を自ら切り開く「生きる力」をつけていく。

 こうした発表会に欠かせないのが、ゼミ卒業生とゼミ生の家族の参加である。家族を発表会に呼ぶことは、もともと経済学部の中澤信彦先生の実践に倣ったものである。
 私のゼミ生の場合、日頃からゼミが話題になる家庭が多いので、ならばゼミで活躍する姿、わが子の成長ぶりを直に見てもらおうと思ったからでもある。

 父母の参加は少数にとどまるが、参加した父母からは毎年好評を得ている。これをゼミ生からの視点でとらえれば、この発表会は自分が生きていることを、ゼミ卒業生の参加によって学びの縦のつながりとして実感するとともに、家族の参加によって命のつながりとしても実感する場なのである。

『葦 №141号』より

2011年11月25日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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