カリキュラム

教員エッセイ

第11回携帯メールの文章に思う

商学部教授  明神 信夫(会計専修)

 今やゼミ生との連絡に携帯は欠かせないものとなった。携帯電話の出始めの頃には電車内での携帯電話マナーが随分と問題になったが、いまや電車内で電話をしているのは若者ではなく、むしろ中高年の方であろう。仕事上のトラブルや契約内容まで聞こえてくる。

 若者は電話として使うよりも圧倒的にメールを利用している。ゼミ生も100%メールで連絡してくる。この方が通信料金が少なくてすむからであろう。このため、携帯の世界では「メールの文章はできるだけ短く」がマナーであると言われている。このためか、件名がないのはいまや普通のことで、本文に名前さえ書いていないメールもある。アドレス帳に登録されているだろうから名前を書かなくても誰が送ったかはわかるだろう、とのことだと思うが、書かないことが習慣になると自分のアドレスを教えていない人や目上の人にも名前を書かずに送るのではないかとつい心配してしまう。

 文章が短ければ短いほど書き手に文章力が必要となる。書き手に文章力がないと読み手が誤解をして、ときには大きなトラブルへと発展することにもなる。最近もムカッとするような内容のメールを受け取ったが、このような場合、すぐには返事を出さず一日おいて冷静になってから返事を出すようにしている。教師に絵文字入りの文章を送るのは失礼だと思っているのか、そのような文章が来ることは少ないが、絵文字は表現の拙さを補ってくれたり、気持ちや心を伝えたりもするから適度に使うことはトラブルを防いでくれるものと思う。それにしても「携帯メール書き方講座」が必要な時代になったのかもしれない。

 このときは福井県丸岡町の一連の「日本一短い手紙-一筆啓上」 等が参考書になるかもしれない。

『葦 №138号』より

2008年11月28日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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