カリキュラム

教員エッセイ

第8回大学内外の知のトライアングル

商学部教授  陶山 計介(マネジメント専修)

 近年、科学研究費などで海外の学会や都市の視察にでかけることが少なくない。2007年度1年でも韓国ソウル、英国のマンチェスター、中国の北京、スペインのビルバオなどに行く機会があった。そのたびに訪問先で学んだり、新しい発見があった。思わぬ出来事に遭遇することも少なくない。手荷物検査の厳しいエジンバラ空港にノートパソコンを置き忘れるというハプニングは、英国の治安対策やカスタマー・サービス、航空運賃体系、ロジスティックスの現況を教えてくれた。

 海外に出ていろいろな発見をするためには学ぶという謙虚な姿勢を持つことが大事である。しかし、「幸せ」は待っていても来ない。アンテナを張り巡らしてこちらから積極的に働きかけ情報発信することが必要となる。1990年のカリフォルニア大学バークレー校での在外研修では学ぶことが多かったが、2002年のエジンバラ大学滞在時には日本の姿を伝える機会が増え、先方の関心も高かった。

 同じことは産学連携にも言える。2007年度、(社)日本ショッピングセンター協会の寄附講座でコーディネーターを担当したが、デベロッパーや商業施設のトップの方の話は学生諸君にすこぶる評判が良かった。さまざまな情報や刺激を産業界や社会から得られる。そのことは知の拠点として情報発信や人材の育成を大学が行い、社会と大学の双方の間でのコラボレーションを通じて知の共創をはかることが期待されているからである。

 オープンカレッジとしての大学には、学生諸君の関心や意識をこれまで以上に大学の内外や国の内外に向けながら、それらの間で互いに切磋琢磨していけるよう後押しすることが求められている。今や関西からアジアさらに世界に向けて射程と射幅を広げる時代では。

『葦 №137号』より(一部加筆修正)

2008年09月04日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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