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2019.04.17

2018年度国際ジョイントPBLプログラム@ベトナムeJIP.vn参加者座談会を開催しました!

 

ベトナムの学生たちとともに、ハノイのリアルな課題に格闘し続けた12日間は、私たちに仲間と自信とをもたらした

「国際ジョイントPBLプログラム」 eJIP (イージップ:Joint International PBL in English) は、プロジェクト実践力と異文化適応能力を磨くために、商学部の学生と海外の大学の学生とがチームを組み、共通言語は英語として地域の魅力発見に取り組む全く新しいプログラムです。

 2018年夏に実施された国際ジョイントPBLプログラム@ベトナム (eJIP.vn)の座談会が2018年12月に行われました。

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(写真)ベトナムFTUキャンパスにてeJIP.vnメンバー全員集合!
 

 2018年夏に実施された「国際ジョイントPBLプログラム@ベトナム(eJIP.vn)」には、関西大学の協定校であるベトナムの貿易大学(以下FTU)学生7名と、関西大学商学部生4名の計11名が参加しました。

 8月上旬に兵庫県丹波市にある関西大学佐治スタジオでオンサイト学習でのコミュニティーウォーク(集落を歩き五感を働かせて地域のよいところを発見する)を想定した合宿をeJIP.jpメンバーと合同で行い、更に千里山キャンパスにおいて英語でのディスカッション技法を学ぶオフサイト学習を行いました。

 オンサイト学習は8月下旬から9月上旬に行われ、村全体で家具などの木工品を製作している手工芸村であるハノイ郊外のバクニン省ドンキー村に入り、社会的課題「地場産業とファミリービジネスの振興」にとりくみました。

 2018年12月に行われた座談会には、eJIP.vnに参加した1年次の田島美紀さん、2年次の小松世奈さん、高岡舞さん、松山万理恵さんが集まりました。加えて、2018年度eJIP.jp参加者の1年次の和田麻里百さん、2017年度eJIP.jp参加者の2年次の堀田小百合さんが座談会の進行役として参加しました。なお、学年はいずれも2018年度時点のものです。


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(写真)FTUキャンパスでの曰本についてのプレゼンテーション(8月20日)

〇eJIP.vnに参加した動機

小松:行ったことがないベトナムで、2週間っていう短くはない期間で新しいことにチャレンジしたいと思って、このプログラムに興味を持ち参加しました。

松山:大学で自分のやりたいことができていないって感じていたのと、ベトナムっていう国にも興味があったから。

田島:語学留学ではなくてちゃんとした留学だったから。これまで語学留学したことがあるけど、「これは日本でもできるやん!」ってどこか薄っぺらく感じちゃって。このプログラムは現地でしかできないことができるからいいなと思いました。

 

ベトナムで印象に残っていること

小松:現地で印象に残っているのは、スケジュール変更が重なったことかな。元々1日目にはこれをして、2日目にはこれを…って決められているプログラムではないって聞いてたけど、実際に行ってみると前日とか当日にその日の予定が決まることが多くて…。それにちゃんと対応できるときもあったけど、ちょっと困ることもあった。でも、だからこそしんどかった時とかもスケジュールに縛られずにサポートしあってできたから、今となってはよかったなって思うな。

松山:ベトナムの印象は「まさに発展途上国!」。道路や交通網の整備がまだまだできていないところがあるのに、iPhone Xとか最新のものを使っている人を見かけた。

高岡:そうだなあ、食べ物が安かった、交通量がすごかった。バイクの攻め具合めっちゃやばかった!

小松:私は1日1回はタピオカミルクティー飲んでた〜!タピオカミルクティーのお店めっちゃある。

高岡:あと、めっちゃ遅くまでお店が開いてるのに、朝早くから営業してた。

堀田:ベトナムだと食べ物も心配だよね。お腹壊したりしなかった?

高岡:大丈夫やったよ!行く前は周りに「生野菜はやばいで」「生春巻きはやばいで」って言われてたけど。

小松:私も生春巻き怖いいから気をつけよ〜食べんとこ~って言ってたけど、FTUのウェルカムパーティで一発目から出てきて…。せっかく用意してもらったのに避けるのは、って思って食べてみたらいけるやん!って。

高岡:あ、でも私途中でお腹壊した(笑)

 

〇「英語」に抵抗がないFTUの学生

松山:FTUの学生の英語力がとても高くてびっくりした!それも、みんな独学で勉強をしているらしい。

田島:私も思った!みんな語学力がすごい!

堀田:そうなんだ。英語力の高さっていうのはどういうところで感じた?単語力とか?

田島:それもあります。一番感じたのはプレゼンです。みんな場数踏んでました。

小松:FTUメンバーみんなが普通に英語できるっていうことではなかったかな 。でも英語だけじゃなくて日本語を話せる学生も多かったし、人によってレベルが違うなって。

慣れてるメンバーとかは、ほんまにネイティブに近くて司会力もあるから、パーティとかの場で活躍してたし、ボキャブラリーがあるっていうレベルじゃなくもう普通に話せる。あと、みんなベトナム人やから「母国語英語じゃない」っていう抵抗は持ってなかった。だからそこで英語力の高さは感じたかも。

 
〇互いに高めあえたFTUの学生との活動

堀田:今回FTUの学生と一緒に活動したけれど、どうだった?

田島:私の場合困ったのは、自分に経営とかの知識が全然なかったこと。このプログラムは全日程ベトナムFTUの学生と関大の学生でバディを組むのだけれど、一緒に組んでたFTUメンバーにプレゼン準備を押し付けちゃってたかなって…

小松:関大側は一番上の学年でも2回生やったけど、向こうは4回生までおったから、全員でビジネスの話するときは「あっ、そこに目を向けるんや。おお〜」ってなった。このレベルで学んでる人もおるんやったら、自分もがんばろって思えたな。

堀田:刺激やな!

田島:私は、自分が何もできてないっていうストレスがめっちゃありました。

小松:でもみき(田島さん)はしっかりサポートしてくれたし、それは大丈夫やと思うよ。

松山:私は日本での学生生活で、何かやることに対して、友だちとのやる気のギャップを感じる時があったけど、ベトナムではそういうのは全くなかった。みんなやる気があったし、真摯に取り組んでて、お互いに高め合ってる感じがしてすごく良い経験やった。


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(写真)ハノイ近郊の木材市場にて(8月24日)

〇優しさに国境なんか関係ない!

小松:朝一番でタクシーに一人で乗ってバスの停留所に行くため、ベトナム人タクシー運転手と目的地の確認するとき、言葉が伝わらなさすぎて、運転手がパニックみたいになっちゃったことがあって…。そのときもう時間がギリギリで、タクシーでたどり着けなくてバスに乗れなくなったら、一日の予定がなくなる!ってなってすごく焦った。けど、バディが困ったらいつでも電話かけてって言ってくれてたから、朝の7時くらいやったけど電話したらめっちゃ寝起きなのに全部通訳してくれて、なんとか一件落着した。ほんまに、プログラムと関係ないところでもサポートしてくれてめっちゃ優しかった。

高岡:仲良くなれた理由には、FTUの参加者みんなが日本語知ってるし、日本が好きっていうのがあったと思うな。みんな、第二言語とかで日本語とって勉強してて、アニメが好きやから、日本が好きやから参加した!って人が多かった。

小松:確かに将来的にもう関大に留学で来るのが決まってるメンバーや、インターンで来る予定のメンバーもおったし、日本の留学後すぐってメンバーもいたし、結構日本に関わりあるメンバーが多かったな。

堀田:それが結構やりやすさにつながった。

高岡:あるある!

堀田:今も連絡とか続けてる?

小松:うん!そのとき日本にインターン決まってたメンバーが今愛知でインターンしてるけど、大阪遊びにきたとき会える?って話していて、来てくれたとき一緒にご飯食べた。やっぱりベトナム行くってなったら会いたいし、日本に来てくれるなら会いたいな。

小松:海外学生っていうよりは、普通に友だちって感じだったな。あんまり国は関係ないっていうのは前から思ってたけど、もっとそう感じた。2週間毎日顔合わせて、しゃべったらお決まりのノリで、ハノイに友だちができたなって感じがした。

 

〇バディー(FTUメンバー)の器の大きさに救われた
 

田島:私はプレゼン準備してる時に、バディとの関係の変化があったんです。最初相手の主張が強くて私が言っても論破されることが多かったので、もういいやって思って相手の言う通りにしていました。けれど、その後にしっかり話した時に「ちゃんと自分の意見言ってほしい」って、言われました。それ以来自分の意見を言うようにしたら深夜になっても聞いてくれた。タピオカミルクティー飲みながら(笑) その人がプレゼンを作った方が絶対に早くできてたけど、意見を交えてくれたっていうのは嬉しかったし、いい機会やったなと思います。

松山:私は家具の工場を訪問したときに、インタビューがあんまり上手くいかなかったから、バディーとお互い落ち込んでて…。だから何かしらの解決案を考えようと思ってたら、相手も同じようなことを考えてて、ものすごく長いLINEが送られてきてすっごい嬉しかった。

堀田:すごいな〜!何も言ってなかったのに考えてることは一緒やったんやね。

小松:仲良しやなあ(笑)

松山:なんか似てるからやねん。ネガティヴなのが(笑)


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(写真)訪問したバクニン省ドンキー村の家具工場

〇習う英語ではなく使う英語

堀田:プログラムについてはどう思う?

高岡:半年間の認定留学・専門留学には踏み込めへんけど「2週間の留学」なら行ってみたいって思う場合は多いと思う。

堀田:夏休みやから学校はないもんなぁ。

高岡:ベトナム人と英語を使って話すから、ある程度話せる必要があるって思った。中学生レベルやったら厳しいな。

和田:陸前高田チームは今回英語がほとんど話せない状態で行ってる人が多かったから、逆に話せなくても伝えられるってことを覚えたのはあったかな。その場のノリとか雰囲気とかである程度会話できた。けど、プレゼンとかでは意思疎通できてなくて最終的にうまくいかなかった…。

小松:eJIP.jp(陸前高田でのプログラム)との明らかな違いは、ビジネス色の強さかな。ほんまに材木があるのか、輸入できるのかなどビジネス色が強い会話が必要になるから、そこらへんが厳しいかも。でも、普通に語学留学1週間行くよりはこれの方が揉まれる感じはある!リアルに話さなあかんねん。

和田:英語を勉強するっていう目的じゃなくて、話す前提やからこそやね。

 

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(写真)ハノイ郊外のバクニン省ドンキー村でのインタビュー(8月24日)

〇ビジネスってすごいと感じ、目的意識と自信が湧いてきた

高岡:行く前は、ただ行って楽しんで帰ってくるんやろんな〜って軽い気持ちやったけど、行ったらめっちゃ家具とか見るし、どうやって輸入するとかディープな話になっていってたから、みんな本気やーって思った。考えてる人はめっちゃ考えてるんやなって。特に教授とFTUの学生。自分の変化って言われたらわからんけど、ビジネスってすごいなって気づいた。

小松:アジアには3泊とかそのレベルでしか滞在したことなかったんやけど。これまでイギリスに1学期間留学してた時はホームシックにならんかったから、将来的に海外で仕事しなあかんってなった時にヨーロッパはいけるってなって思ってた。実際の勤務地として多そうなアジアはいけるんかなと思ってたけど、今回2週間滞在してみて「ベトナムはいける!」って思ったのが今回の発見かな。

高岡:可能性広がったってことやな!

松山:私はほんまに英語力がなかったから、その分自分で何かしないといけないっていう気持ちがあった。2週間夜遅くまで作業して、自分のベストを尽くしたっていうのは、今後の自信につながると思う。

小松:生半可なレベルではできひんし、プレゼンのクオリティーあげるんやったら2週間で足らへんし…。そこらへんはリアルやったね。

田島:自分は目的意識を持つことができるようになったな。帰ってきてから他のことで課題をクリアするときも、「今やってることは何か」を常に意識しておくようになりました。帰ってきてから、公認会計士の勉強にも役立ってる。目的がなかったら「なんでしてるんやろ」ってなるけど、なんで今この勉強をするのとか、しっかり考えるようになった。あと、プレゼンが怖くなくなりました。あっちでは英語やったからより怖かったんですけど、それまでも司会とかプレゼンとかで人前に立つのが怖かったんですよ。

堀田:帰って来てからの成果発表会で司会してたよね。

田島:はい。あれもやっぱり怖かったんですけど、日本語だったらいけるって思えた。

授業補佐をするLA(Learning Assistant)をやってるんですけど、そこでもプレゼンとか司会を任されるようになって、すごく成長したなって思います。

あとは、周りの態度が変わったように思います。これが自分にとって一番のメリットだったな。一回就職もやめてるから家族から結構「やりきれへん子や」って思われてたんですけど、eJIP行って戻ってきたってので、親から「ちゃんと何かをやりきれる子やん」って見てもらえるようになりました。大学の友だちからも、口だけでなく行動もする学生って見られてるかなと思います。

小松:一番変わったのはまりえ(松山さん)だと思う。

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(写真)ハノイ郊外のバクニン省ドンキー村でのインタビュー(8月24日)

〇最後にeJIP.vnメンバーから読者のみなさんへ

小松:今回ベトナムeJIPに参加して学べてよかったことがたくさんあります。日本と違う場所で何かに挑戦することの難しさも知れて、これからの将来に生きる経験ができました。

田島:私がこの留学に行って成長できた点は2つあります!1つ目が、納得するまで話し合うことです。どんなに面倒くさくても、素敵なプレゼンを作るためには折れてはダメだと学びました。私のバディは、疑問に思ったことを必ず私に聞いてきました。私もその姿勢に応えようと、最後まで付き合いました。

2つ目は、英語は単なるツールだと気づいたことです。英語の他に自分が気になっている分野の知識が大切だなと痛感しました。それが私の場合は会計です。会計の知識があれば、もっと違う視点から物事を話せたのにな、プレゼンが高度なものになったのにな、と後悔しました。なので、日本に戻ってきてからは簿記の勉強と英語を同時進行で勉強しています。

高岡:ベトナムは日本とは違った文化だけど、とても親しみやすくて人々も暖かいと思いました。このプログラムでベトナムの学生と一緒に活動できたことはとても貴重でいい経験になりました。

松山:今の大学生活に満足していない人、周りの人とやる気のギャップを感じている人に、是非参加してほしいです。自分と同じ熱量、それ以上を持った人が世界にはいます。私はそんな彼らと出会えたことが何よりも嬉しかったですし、もっと成長したいという思いが強くなりました。「どこまでやれるか」ではなく、「どこまでやったか」ということが大切だと思います。どうか自分で限界を決めつけるのではなく、まだ見ぬ世界に踏み込んでほしいです。

 


【編集後記】

 このプログラムで得たことは人によって異なると思いますが、私の場合は、柔軟性が身についたと感じています。ベトナムに着いてからの一週間は、昼間のミーティングで出た課題について、一人で夜通し考えていました。その場で意見を言うよりも、自分の中できちんと整理したいと思っていたからです。しかし、この方法は海外の人々と活動する際には通用しないことに、途中で気がつきました。毎日のように変わっていく話題、加速していく議論。日を重ねていくごとに、そのスピードについていけなくなりました。

 その日は何も言わずに、次の日にはアイデアをたくさん出すことがかっこいいと思っていた私にとって、かなりの打撃でした。日本ではその方法でも良いかもしれないですが、海外でまたは海外の人と活動する上では、何よりも柔軟に対応することが求められるのです。その日与えられた課題に対し、素早く反応する瞬発力が必要なのです。これらのことは、日本で生活していただけでは気づけなかったことでしょう。同時に、経験してみないとわからないことだとも思います。

 eJIP.vnは、将来一人のビジネスパーソンとして活躍するための力を得る機会を提供してくれます。参加しない理由を並べるのは簡単かもしれません。しかし、もし少しでも挑戦したいという気持ちがあるのであれば、きっとベトナムから何かを持ち帰ってくることができるでしょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。(松山万理恵)

(この記事は、2017eJIP.jp参加メンバー堀田小百合が構成・編集、2018eJIP.vn参加メンバー松山万理恵が編集・執筆しました。)






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