


関西大学化学生命工学部は、関西大学工学部(1958年設立)の2007年4月からの改組に伴い開設されました。化学物質・材料を対象とした化学・物質工学科と生命の構造・機能を対象とした生命・生物工学科の2学科から構成されています。
化学生命工学部の基本コンセプトは「ものづくり」です。さらに、『地球社会における「もの」と「いのち」の共生を図る科学技術の開発と創成』を基本理念として、「もの」に関する科学技術を通じて21世紀社会に貢献できる専門技術者を養成することを目的としています。
現代の科学技術文明には、製品としての様々な「もの」を創出し、いまや我々の生活の周りにはそれぞれ固有の機能をもつ「もの」が溢れるくらい存在しています。たとえば、情報デバイス技術やナノテクノロジー、環境・エネルギー問題の解決に関する技術、医療・創薬技術、再生医療、遺伝子治療、醸造・発酵生産、そして廃水処理から、さらに環境修復などはその一例です。これらの化学物質・生体物質・材料の構造と機能や生命体の機能を理解する上で、化学は、物質科学、生命科学の学術的基盤として位置づけられます。
このような問題を解決するには、化学を基盤的ツールとして物質・材料や生命体の機能を基礎的次元から解析するとともに、新しい機能をもつ新素材・新物質の創成能力、新規な生命機能物質の探索・分離・実用化の能力、また目的物質の製造プロセスを構築する能力が必要となります。このような背景のもとで、関西大学化学生命工学部は、「ものづくり」を担う専門技術者を育成します。
関西大学には、「学の実化(がくのじつげ)」という学是があります。関西大学の第11代学長(1922年~1925年)、総理事 山岡順太郎によって提唱された学是です。これは、大学が研学の府として学問における真理追究にだけ終わるのではなく、社会のあるべき姿を提案し、その必要とするものを提供することによって、学理と産業界、官界との橋渡しをするという姿、すなわち、「学理と実際との調和」を求める考え方です。大学が、その成果を実社会へ還元すること、逆に、社会におけるニーズを吸収し、よりよい社会を目指した学問のあり方を追求することを学園に求めたもので、いまで言う、産学連携、産官学連携の基本となる考え方であると理解できます。まさに、現在の大学が目指すべきあり方を示しているのではないでしょうか。このような理念のもと、関西大学化学生命工学部は、新たな「ものづくり」の創出を目指して、発展していきます。