

例えば5年前と比べると、現在のケータイは非常に薄く、軽くそして画面がきれいで見やすくなりました。その理由の一つが画面の有機EL化。電流をかけると光る性質を持った有機物質(発光体)を使ったディスプレイで、見やすい上に省電力で済むという特長があります…。なぜならこれまで主流だった液晶ディスプレーはバックライトという白色光の上に赤、青、緑のフィルムをはって、そのバックライトとフィルムの間にある液晶により光の透過を制御していました。そのため黒を出しにくい上、黒を表示しているときも実はバックライトが光っていたのです。新しい有機EL素子はこれまでの液晶と異なりそれ自身が発光するので明るく、見やすく、応答性が高く、そして消費電力が少ないという利点があります。
有機ELの開発には多くの化学者の挑戦がありました。有機ELを商品化するには超えなくてはいけない問題がたくさんあります。その一つひとつをクリアするには新しい分子も必要ですし、それら分子をナノメートルレベルで並べることも必要です。化学生命工学部は分子レベルで“モノをつくる”ために必要なことを学ぶところ。電子の受渡しを可能にする分子や発光する分子など、いろいろな物性をめざした新しい分子の合成が日夜行われています。きっと化学生命工学部で作られた分子が世界の暮らしを変えることでしょう。